更新日:2021.06.28 カンガルーの手
カンガルーの手
今回はカンガルーの手、前肢の話です。カンガルーやワラビーたちは、とても器用に両手を使います。
地面を掘ったり、
小さな餌を掴んだり、
ケンカの際は相手を牽制したり、
担当者がおいしいものを持っていないか確認したり、
急ぐときは後肢だけで跳ねますが、ゆっくり移動する時は前肢も使って四足歩行もします。
そんなカンガルーたちの前肢こんな風になっています。
これは左前肢なので、左から第1指(親指)、第2指(人差し指)、第3指(中指)、第4指(薬指)、第5指(小指)です。人のように親指が対向していなくて、紅葉のような手をしていますね。親指が1番小さく細いことが分かります。太くて立派な爪、掌には鱗のような模様の凹凸があります。
生まれてすぐのカンガルーは全身がピンク色で、だんだんと爪や鼻、掌や足裏の表面が黒くなっていきます。
↑踵や爪、指先から少しずつ黒くなります
↑育児嚢から顔を出す頃には、すっかり黒色が濃くなっています
しかし、中には成長しても体の一部に、模様のようにピンク色が残っている個体がいます。
それがこちら。
どちらも同じ個体ですが、両掌の中央だけちょこっとピンク色。なんとなーくハートに見えませんか?(カンガルー好きのあなたには、きっとハートに見えるはず!)いつでも両手にハートを握りしめた彼女は、とても人懐っこく愛嬌たっぷり。他のカンガルーたちよりいつもちょこっと多めにもらったおやつも、しっかりと握りしめています。
掌や足裏は表面だけが黒く、擦れたりして表面が薄くなると内側のピンク色が見えてきてしまいます。しかし、この個体のピンク色の部分は怪我ではなく、色が抜けているようです。
他にも、鼻先や下唇の先端、踵などにもピンク色が消えずに残っている個体がいます。なぜ黒くならないのかは分かりませんが、個体識別の良いポイントになっています。
(しばた)