更新日:2021.09.11ルビーが旅立ちました
ルビーが旅立ちました
9月10日朝、オオカンガルーのルビーが亡くなりました。
現在金沢にいるオスの中では最高齢の、14才でした。
6月末ごろから排泄障害により体調を崩し、バックヤードの群れから離れて、個室で治療を続けていました。自分で餌が食べられなくなり、獣医と今回はもうだめかもしれない...と話すほど何度も危険な状況になりましたが、ペースト状にした餌を飲ませたり点滴を続けることで、7月中旬になると自分で立ったり餌が食べられるまでに回復しました。
自分で餌も水も取れるようになりましたが、その後も排泄量の確認や治療が必要だったため、個室での生活が続きました。
夏になると、暑くて冷たい床に直接寝転がりたがり、腕や腰が擦れ始めてしまったので、スポットクーラーで個室を冷やしたり、褥瘡治療用のマットレスを導入しました。(↓ルビーの下に敷いてある白いものが治療用マットです)
不安定なマットは嫌がるかと思いきや、ちゃんとすぐにマットの上で寝ているルビーに感動しました。
治療の経過や食欲は回復したものの、体力の低下は進み、9月に入ると少しづつ寝ている時間が長くなっていきました。毎朝今日は大丈夫かな...どんな草なら食べてくれるかな...と、心配する日々が続きました。
亡くなる前日の9月9日も少し牧草を食べ、体を温めるためのライトの下で、じっと寝ていました。
翌10日の朝8:15様子を見ると、まだ浅く呼吸をしており今日もまだ大丈夫だったと一安心し、一通り他のカンガルーたちの様子を見た後、9:30頃ルビーのもとに戻ると静かに息を引き取った後でした。
ルビーはとても穏やかなで、飼育員に対してもやさしいカンガルーでした。長い個室での治療も、私たちに協力的なルビーの性格だからこそ出来たものだと思います。
2019年春からは、飼育頭数を管理する関係でバックヤードの群れへと移動しましたが、人気者のルビーのそばには常に誰かがよりそっていました。
バックヤードへ移動した後も、多くのお客様に気にかけていただき、本当にありがとうございました。
はじめて出会った頃は小さかったルビーが、大きな病気もせず成獣になり、たくさんのカンガルーたちのお父さんになり、そして最後の一時を一緒に過ごせたことを嬉しく思います。
仲間たちに囲まれながら、悠々と寛ぐルビーは間違いなく金沢動物園のアイコンでした。
ルビー、いままでありがとう。ゆっくり休んでね。
(しばた)