更新日:2021.11.05メジロのレストラン
メジロのレストラン
朝夕はすっかり寒くなり、園内ではカキの実がすっかり色づいています。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今年はメジロのヒナがたくさん傷病鳥獣として持ち込まれました。9月の半ばにもちょっと遅めのヒナが4羽保護されて、無事成長して放野しました。そんなお話です。
9月の半ばに巣ごと落ちた3羽と、地面に落ちていた1羽が別々に保護されました。赤裸のうちは人間用の保育器で暖かくしてコオロギを10~20分おきに与え、写真のように緑色の羽毛が生え始めた頃から3分のすり餌を与えて育てました。
こちらが3分のすり餌。ぬか、きな粉、淡水魚の魚粉などを混合した粉末の状態で売っています。魚粉の割合が少ない方から3分、5分、7分など様々な種類があります。メジロは花の蜜や熟した果実などを食べる鳥なので、一番魚粉の割合が少ない3分を使います。この粉末に鳥類用総合ビタミン剤、カルシウム剤を添加してお湯で溶いて与えました。
大きくなると小さなお椀に3分のすり餌を入れて自力で食べさせます。果物を鳥かごにぶら下げて食べさせたりもしました。そして10月初めに無事4羽とも園内で放野することができました。
さて、放野してから1週間くらいたったある日、病院の前の柿の木が妙に騒がしいと思ったら鳥たちのレストラン状態になっていました。ヒヨドリ、シジュウカラ、そして一番数が多かったのはメジロです。群れになって大騒ぎしながら熟した柿の実を食べていました。この写真じゃ分からないですよね。
はい。これが望遠で撮った写真です。一生懸命つついていました。10羽以上は食べに来ていたのではないでしょうか。
赤裸の状態から手塩にかけて育てたメジロたちがこの群れの中にいるかもしれないなと、しばらくじっと観察していました。カキの実は熟してから1週間くらいでほとんどなくなってしまいましたが、今ごろは何を食べているのでしょう。
(傷病鳥獣担当 桐生)