更新日:2024.07.19似ている?似ていない??
似ている?似ていない??
『似ているようで似ていない?』というネズミのお話しです。
ネズミの仲間(現存種)の中で1番大きな動物が『カピバラ』と言われています。
では、2番目に大きいネズミの仲間は?と言うと、
『マーラ』です。
どちらも大きめなネズミの仲間なので『似ているな?』と思っていたのですが、よく見ると違うところばかりでした。
金沢動物園ではカピバラもマーラも飼育しているので、その違いの一部を観察してみましょう!
カピバラは南アメリカのアマゾン川流域を中心とした水辺に生息する動物で、
マーラは南アメリカの乾燥した草地に生息しています。
また、同じテンジクネズミ科の動物で、カピバラ属とマーラ属に分かれています。
カピバラは別名『オニテンジクネズミ』、マーラは別名『パンパスノウサギ』とも呼ばれています。
マーラは別名のとおり、切り立った耳をしているのでウサギのような顔つきをしていますね。
違いがはっきり分かるのが、足でしょうか?
生息地や生態による違いが見た目からも分かると思います。
カピバラは湿地帯に生息し、泳ぎも得意な動物なので、指と指の間に水かきがあります。
一方、乾燥帯に生息するマーラは細く長めの足で颯爽と跳ねながら走り、その速さは時速45km程度と言われています。
これは、マーラが展示場を駆け回った時の足跡です。地面を強く蹴って走ったこと分かります。
また、メスは繁殖期になると地面に巣穴を掘るので足指は長く、爪も鋭くになっているようです。
次は個人的に一番気になるポイントのお尻と尻尾です。
ネズミといえば、細くて長いにょろっとした尻尾があるイメージですが、カピバラとマーラにはそれは見当たりません。
でも、良く見ると、すごく短い、もしくは骨格上はあるが露出していない『なごり』のようなものがお尻にあります。
カピバラはまさに『なごり』尻尾です。つるんとしたお尻に尻尾の痕跡のようなものがあります。
マーラはというと、2~3㎝程度のぽこっと飛び出したように見える尻尾があります。
とても個人的な意見ですが、私はこのマーラの尻尾とお尻のツートンカラーの体毛が大好きです。
特に黒褐色と白の毛の絶妙なバランスが良く、座り姿だと収まって見えますが、立ち姿になるとくっきり分かれた体毛がより分かりやすくなります。
なんでこんなに境目のラインが美しいんだろう?と思って見入ってしまいます。
動物って、本当に不思議ですね。
結論からいうと、「1番でも2番でも○○番でも」いいんですが、それらの個性に気付くことができたら『より楽しくなるね!』というお話しでした。
(南米に生息する動物たちは魅力がいっぱい 大谷)