更新日:2017.08.22オオカンガルーの治療
更新日:2017.08.22
オオカンガルーの治療
動物園の獣医さんが最もよく治療をする動物は何かご存知でしょうか。
カンガルー類を飼育している動物園であれば、カンガルー類が最も多い治療対象動物になると思います。
理由としては、カンガルー類が歯の疾患を頻発する事と、人間が保定して治療することが容易であることがあげられます。
動物に麻酔をかけないで治療ができるのは非常に重要な点で、それによって毎日こちらが意図した治療を行えます。
金沢動物園ではほぼ毎日、飼育しているオオカンガルーの治療を、何らかのかたちで行っています。
具体的にどのように治療をしているかと言うと、まず、オトナのカンガルーであれば、3人がかりで動物を保定します。
動物が苦しいのではないかと心配に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
動物が苦しくないように、そして動物も人も怪我をしないために細心の注意を払いながら保定します。
これは、動物園で働く飼育員さんや獣医さんにとって、非常に重要な技術の一つです。
次に目的とする治療を行います。今回は頬に膿瘍ができたオオカンガルーの治療を行い、
加えて、指を怪我してしまったオオカンガルーの治療を行いました。
このように動物を保定しながら、患部の洗浄、消毒や薬の投与を行います。
オオカンガルーは飼育頭数も多いですが、治療が必要になるケースが頻繁にあり、
加えて動物を保定できるので、治療をする機会が多い動物と言えます。
(獣医 木戸)