更新日:2017.10.09ボン、元気です。
ボン、元気です。
オスゾウ「ボン」が10月で41歳になりました。元気です。
金沢動物園で実施しているオスゾウのトレーニングやケアについて紹介します。
金沢動物園では柵越しにボンにアプローチして世話をする「準間接飼育」という方法で飼育しています。
オスゾウは一般的にオトナになると気が荒くなり、時には攻撃的になることもあります。
そのため、お互いの安全を確保するため、ボンのいる柵の中に入ることはありません。
では、どのように世話をしているかというと、
柵に体を寄せさせて肌に乾燥防止のオイルを塗ったり、
足を出させて洗ったり、時には蹄を削って形を整えたりもします。
このようなケアはゾウを無理やり押さえつけて行うことはできません。
飼育員が望んでいる動きをボンが上手にできたときにサツマイモなどのご褒美をあげることで、正しい動きを教えています。
ゾウの自主的な協力が必要なトレーニングなので、ボンの気分次第ではうまくいかない日もありますが、
だいたいはとても協力的に指示に従ってくれます。
ボンが足を出すための台や、飼育員の安全を確保するための柵など、いろいろ制約やある中で、どれだけ安全にボンに必要なケアをしてやれるか試行錯誤の連続です。
毎日試行錯誤なので想定内ですが、足乗せ台が壊れました。
ボンの足乗せ台は柵とエサ入れの隙間を利用して固定する仕組みです(今のところ)。
板が折れたときはボンも驚いたようで、ビクッとしていました。
飼育員として、ゾウの要求をすべて満たしてやりたいと常々思いますが、それが難しいのも現実です。
陸上最大の動物の飼育環境を理想的な環境で飼うためには、たくさんの課題があります。
大変なこともありますが、ボンやヨーコ、チャメリーが、いつまでも健康で長生きできるように付き合っていきたいと思います。
ボンのトレーニングは室内で実施しているため外から見づらいのですが、寛大な気持ちで応援してください。
(先崎)