更新日:2017.11.28早く良くなってね!
更新日:2017.11.28
早く良くなってね!
金沢動物園では冬になるとホンドタヌキの保護が増えます。
これは疥癬症(かいせんしょう)というダニの病気で皮膚の状態が悪くなり、脱毛してしまい体温を保てないため、衰弱したところを保護されてくる個体が増えるからです。
そんな中、疥癬症ではない原因で保護される個体もいます。
今回ご紹介するタヌキは骨折により保護されてきました。
その数、なんと4カ所!!
4カ所のうち、2カ所は骨が多少ずれているものの、何とか骨がくっついている状態でした。
骨折の治癒(ちゆ)過程から推測するに、もしかしたら2回に渡って交通事故にあったのかもしれません。
本当の原因はわかりませんが、いずれにせよタヌキにとっては非常に大変な状態であることには間違いありませんでした。
すぐにでも手術したいところでしたが、保護時の状態があまりに悪く、
3日ほど点滴などの治療を行い、状態が改善したところで骨折の治療を行いました。
保護した当初は餌を食べる元気もありませんでしたが、手術後にはバクバク食べるように。
ホッとしたのかな!?
まだまだ、野生に戻るには時間がかかってしまいますが、
早く良くなってくれればなと思っています。
腕の骨折の治療部分。骨の中にステンレスのピンを入れ、ワイヤーで固定しています。
まだ、しばらくは病院で療養です。
(獣医 田中)