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冬の傷病鳥獣保護の写真

更新日:2017.12.17冬の傷病鳥獣保護

更新日:2017.12.17

冬の傷病鳥獣保護

皆様、こんにちは。

12月に入り、日に日に寒さが厳しくなってきました。

傷病鳥獣保護担当は、年に2度忙しい時期を迎えます。

1度目は、鳥類の雛が保護で持ち込まれる春から夏の終わりまでです。

2度目は、今の時期の冬です。

毎年冬の時期になると、ある感染症にかかった野生動物が多く持ち込まれます。

そのある感染症にかかった野生動物というのは・・・

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(2017年11月15日保護受け)

そうです。

疥癬症にかかったホンドタヌキです。

なんだか、見ているだけでも体がムズムズしてきます・・・

疥癬症は、ダニの一種のヒゼンダニが体に寄生することで発症します。

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(顕微鏡写真:ヒゼンダニの成虫)

人にも接触することで、アレルギー症状を引き起こすことがあります。

そのため、飼育作業をする時には使い捨てのゴム手袋を使います。

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(2017年11月15日保護受け 両脇腹)

感染すると非常に激しい痒みを引き起こします。

激しい痒みの原因は、ヒゼンダニが卵を産むために皮膚を掘っていき、その中に残した糞や脱皮の抜け殻にアレルギー反応を起こすのが原因と言われています。

症状が進行すると皮膚が硬くなり、フケが溜まって固まりになってガサガサしてきます。体を掻くことで固まったフケが体毛ごとはがれてしまいます。

また、体を掻いた時の引っ掻き傷から細菌が入ることで、合併症にもなってしまいます。

疥癬症は季節問わずかかる感染症ですが、疥癬症によって体毛が抜け落ちてしまい体温を一定に保てず、

冬の寒さに耐えることができなくなり、衰弱しているところを発見されることが多いです。

疥癬症の治療には、

フィラリアの予防薬でもあるイベルメクチンを10日に1回ずつ、計3回注射します。

ヒゼンダニを完全に体から落とすには、約1か月かかります。

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(2017年11月15日保護受け 3回目のイベルメクチン注射)

2回目、3回目の注射をする頃には、

皮膚の状態が良くなってきてフケが無くなります。

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(2017年11月15日保護受け 三回目の注射終了後 両脇腹)

野毛山動物園に来た時は元気が無く、ぐったりしていましたが、

3回目の注射が終った頃にはエサをガツガツ食べられるようになります。

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(採食中)

しかし、まだ体毛が生え揃っていないので自然に帰すことはできません。

気候が暖かくなり、体毛が生え揃った所で森に帰しに行きたいと思います。

※12月17日現在、高病原性鳥インフルエンザの防疫対策として、傷病鳥類の受入れを休止しています。

(齋藤(信))