更新日:2024.07.31飼料班のおしごと④
飼料班のおしごと④
おしごと紹介ブログ第4弾です。
動物園での仕事といえば現場での作業のイメージが強いかもしれませんが、事務作業もあります。
たとえばこのブログ作成もそのうちの一つです。
ということで今回は、飼料班での事務作業の一部をご紹介したいと思います。
飼料班は月に1回、飼育担当さんたちにエサの使用予定量について調査を行っています。
前回のブログでも、ちょっとお話ししましたが動物の体調によってはその都度変更をすることもあります。ですが、野毛山動物園では基本的に「飼料出庫伝票」というものを各班に回覧し、その数値を記録しています。
調査をするのには理由があります。
動物たちのエサは八百屋さんや食肉卸売業者、農家さんなどから購入しています。
購入するにあたって、使用するエサの内訳を本部に提出しなければなりません。
たとえば青果類は2ヶ月先の内訳、肉や魚類は上半期、下半期ごとの内訳を作成することになっています。
それから、動物たちの一日分のエサの準備は基本的に飼料班が請け負っているので、変更の度に対応しています。
↑の写真は、ツキノワグマの青果類などを入れている容器の中身とその表です。
「飼料出庫伝票」のエサの変更情報を通して、動物のいろいろな情報がみえてきます。
野毛山動物園のブログを読んでいる方や直接足を運んでくださっている方はご存じかもしれませんが、6月末、インドライオンのラージャーが亡くなりました。そのため肉類の使用量が大幅に減少しました。
エサの増減には、さまざまな理由があります。
出産で頭数が増えたり動物の食欲が増したりすることで、与えるエサの量は増えます。逆に、動物が他の園に引っ越したり、今回のように動物が亡くなってしまうことでエサの量が減ったりします。
基本的にエサの総量は毎回変動するわけではありませんが、良くも悪くも動物の増減によってエサの増減も大きくなります。
飼料班は動物の飼育はしませんが、このように園全体の動物の増減などの状況が垣間見ることができるので、個人的にはとてもやりがいを感じています。
エサの購入にあたってお金の動きも絡んでくるので、ちょっと大変ではあるのですが...。
(ここから先は思い出話なので、飽きたら飛ばしてください。)
最後に、私個人の話にはなりますが、亡くなったラージャーとはなんだかんだ長い付き合いだったように思います。飼料班として今年度を合わせて3年と3ヶ月ほど関わってきました。
諸事情により一度、私は野毛山動物園を離れていました。離れる前日、ラージャーの前担当だった歌舞伎揚げ大先輩から無線で呼び出され、何を言われるのかと少し緊張しながらライオン展示場前に行くと、大先輩とラージャーが待っていました。「いつもエサを準備してくれる人だよー」と短く紹介してくれました。
そのあと今後の進路について話をしたり、野毛山動物園を去る思い出にと、ラージャーに馬肉を何切れか与えさせてくれました。
月日は流れ、これまた何の縁か、野毛山動物園の飼料班に戻ってくることができました。
間接的ではありますが、飼料班としてラージャーという人気者に関われてよかったと思っています。
ラージャーが亡くなり、もう1ヶ月が経ちました。
時の流れの早さを痛感する今日この頃です。
いまさらだけどラージャー今までありがとう。天国でゆっくり丸鶏食べてね。
なんだかんだ3年以上ラージャーのエサを作っていた 飼料担当 矢澤