更新日:2021.06.30消防ホース・ジャングル化計画、進行中!
消防ホース・ジャングル化計画、進行中!
今年の4月でチンパンジー係2年生になり、早3ヶ月。
昨年一年間の新米チンパンジー係時代は、4頭のチンパンジーの様々な面を良く知るため、業務時間の大半をチンパンジー達の傍で過ごす事に費やしましたが、今年からは彼らのより良い暮らしを目指して、取り組んで行きたい事がたくさんあります!
その一つが、環境エンリッチメントの充実です!
まず初めに取りかかったのは、園路から向かって左側の展示場。
この展示場は日中と、春~秋は夜間も寝室と開放で使う場所なのですが、もう片方の展示場に比べるとやぐらや遊具が少なく、殺風景な事が気になっていました。
野生のチンパンジーは採食や睡眠など多くの時間を樹上で過ごし、高い場所はチンパンジーにとって切っても切れない存在です。
ということで、チンパンジー達の樹上生活の再現や行動量の増加を目的として、消防ホースを展示場内に張り巡らし、「消防ホース・ジャングル」を作る事にしました!
張り巡らせた消防ホースはジャングルの蔦を、同じく消防ホースで作ったハンモックはチンパンジーが睡眠に利用する樹上のベッドをイメージしています。
ジャングルを作り始めてから約1ヶ月、徐々に消防ホースの本数が増えてきました。
さて、消防ホース・ジャングルの使用頻度が一番多いチンパンジーといえば、やはりコウタロウ!
よほど気に入ってくれたようで、これまで以上に毎日やんちゃに遊び回っています。
実はこの消防ホース・ジャングル、コウタロウにたくさん遊び場所を与える事で少しでもピーコさんへのイタズラ・ちょっかいを減らしたい、というもう一つの目的があります。
消防ホースを設置してから、以前よりピーコさんにまとわりつくことが減り始めたので、まずまずの出足と言った感じです!
またコウタロウの母親、ミラクルも割とよく消防ホースを利用してくれています。
巨体のミラクルが片手だけで天井につかまり、消防ホースの上に座ったり寝そべっている姿を見ると、チンパンジーのバランス感覚の良さ、そして樹上生活への適応が感じられ、思わず「凄いなぁ!」と感動してしまいます。
(ちなみにコブヘイは極たまに、ピーコさんにおいては全く使ってくれないので、2頭に向けた新たなエンリッチメントを考える必要がありそうです・・・。)
野毛山動物園の類人猿舎は古い檻形式の上に、面積も決して広くありません。
しかしチンパンジー達のためにやれることは、まだまだたくさんあるはず!
これから4頭のチンパンジーが、少しでもより良い暮らしを送れるように努力していかなければと思う、今日この頃です。
(チンパンジー係2年生 伊原)