
更新日:2017.01.10マントヒヒのロン
更新日:2017.01.10
マントヒヒのロン
2016年12月31日。
申年の最後の日にマントヒヒのオス、ロンが亡くなりました。これまで野毛山動物園で暮らしてきたマントヒヒの中では2番目に長寿の25歳10か月でした。
1991年、野毛山動物園で生まれ育ったロン。全盛期の10代後半の頃は数頭いた群れのリーダーとして活躍しました。
メスのサチコと2頭暮らしになってからも、何か危険なことがあるとサチコを守るような行動をとり、
天気の良い日は日向でお互いに毛づくろいをする姿がよく見られました。
2016年11月の始めから体調を崩し、動物病院に入院して投薬や加温などの治療を続けていたロン。高齢の為、心臓が悪くなり何度も厳しい状態を繰り返していましたが、その度に目を見張るような回復力で素晴らしい生命力を見せてくれました。
12月にはメスのサチコも類人猿舎の工事準備のため動物病院に移動したため、体調の良い日は2頭で以前と変わらずに毛づくろいをする姿も見られました。
マントヒヒのオスは肩から名前の由来にもなったマントのような立派な毛を持っています。高齢になると毛が薄くなってしまうことが多いのですが、ロンは最後まで立派な毛を保っていました。
年末に静かに息を引き取ったロン。飼育担当者としては高齢動物の最後を看取る事で様々な事を考えさせられ、ロンから教えてもらいました。
マントヒヒはサチコ1頭となりましたが、サチコも24歳と高齢のため体調を見ながら暖かい室内で暮らす予定です。ロンがいなくなり時折探すような仕草を見せますが、食欲はまだまだ旺盛です。
類人猿舎の改修工事もありマントヒヒは来園者の方にご覧いただけなくなってしまいますが、今回ロンが教えてくれたことを生かして、サチコがゆっくりと幸せに暮らしていけるように取り組んでいきたいと思います。