更新日:2023.03.14ハヤミのおうちの大きな毛虫?!
ハヤミのおうちの大きな毛虫?!
(※最初にお知らせしておきますと、このブログには毛虫の画像は出てきませんので、
苦手な方も安心してスクロールしてください。)
みなさんこんにちは。ハヤブサのハヤミは相変わらずよく食べ、元気です。
ある日の夕方、猛禽舎の鳥たちに給餌して回っていると、親子連れのお客様から、
「うわ!大きな毛虫!」、「ええ!!わ、本当だ!!」という声。
私も「ええっ?!」となり、「え?どこですか?」と聞いてみると、
「ほらあそこ!」とお子様が指さしてくれたのが...
えええっ!!...そうか、
お客様にはそう見えるのか!確かに、言われてみればそう見えなくもないような...
しかも、この話この1件だけではないのです。
お隣のミゾゴイ担当者も別の日に同じ声を聞いたというのです。
これが毛虫だとしたら、とても怖い!!
実は、これ人工芝なんです。なぜ、人工芝を付けているかというと...
ハヤミは保護されてきたときのけがの状況から、翼の先を失っており、上手に飛ぶことができません。
そのため、安定を求めてなのか、どうしても一番上にある台の上にいることが多くなっていました。
(地上性や水鳥などを除く)多くの鳥は、休息時は木の枝に止まるものですが、
ハヤミは平面に立っている状態が長いということになります。
写真からもわかるように、本来は枝につかまるためのつくりをしている足の指が、
地面にぺったり付き、伸びきった状態になります。
そうすると、肢にかかる負担が大きくなってしまうのです。
実際、昨年の6月、研究目的の採血のため捕獲した際、足の裏もチェックすると、
趾瘤症(足の裏にタコのようなできものができる状態)になってしまっていました。
そこで、ハヤミの足の負担を軽減するため、あらゆるところに人工芝を取り付けたのです。
(人工芝はチクチクして痛くないかと心配されるかもしれませんが、実際はクッション性があり、
また足裏に直接当たる部分の表面積も小さくなるので、肢への負担軽減を見込めるのです。)
【Before】
【After】(ついでに古くなっていた台や止まり木も更新しました。)
最初は人工芝を付けたがために嫌がって止まらなくなったりしたらどうしようと思っていたのですが
(そのため様子を見ながら段階的に付ける場所を増やします)、そこは杞憂に終わりました。
↑人工芝設置直後、全く気にしない様子でお気に入りの場所にとまるハヤミ。
別の止まり木でもちゃんと人工芝の上に止まってくれています。
それから約5か月後。状態を見るため再び捕獲し、足の裏をチェックしたところ、
獣医さんと「あれ?あったよね?」というほどに、キズがキレイになくなっていました!
素晴らしい!人工芝効果!!
↑最近のハヤミの様子
というわけで、ハヤミのおうちに大きな毛虫はいません!
春になってきたので、今後園内では自然に暮らすチョウや
ガの幼虫を見かけることはあるかもしれませんが、こんなに大きな毛虫はいません!
安心して、ハヤミに会いに来てくださいね。
飼育展示係 永井