
更新日:2025.04.21~ 七重八重 花は咲けども・・・ ~
更新日:2025.04.21
~ 七重八重 花は咲けども・・・ ~
七重八重 花は咲けども 山吹の
実のひとつだに なきぞあやしき(悲しき)
平安中期 兼明親王の詠んだ和歌です。
八重咲のヤマブキ
とっても簡単に解説すると、雨具を借りに来た客人に山吹の枝を差し出し断ったというお話です。
八重咲の山吹は実をつけない
実の一つ無い → 蓑(みの)一つ無い という掛詞ことです。
(詳しくは太田道灌の逸話や、落語「道灌」を聞いてみてください)
実際、八重咲きのヤマブキは実をつけません。
八重咲の花びらはおしべが変化したもので、めしべも無くなってしまっているので、実ができないそうです。
しかし、これは八重咲に限ったことで、普通の一重のヤマブキにはおしべもめしべもあり、実ができます。
ヤマブキの若い実。熟すと黒くなってきます。
それにしても、平安の歌人は八重咲きの山吹は実をつけない、ということを経験的に知っていて、和歌にも取り入れてしまうとは!
自然などに対して鋭い観察眼をもっていたのですね。
いろいろ見習いたいと思います。
鈴木