
更新日:2025.02.05世界湿地の日!
世界湿地の日!
少し過ぎてしまいましたが...2月2日は、「世界湿地の日」でした!!
世界湿地の日は、湿地の保全に関する「ラムサール条約」が1971年2月2日に採択されたことを記念し、世界中の人々に湿地への関心を持ってもらい、その大切さを知ってもらうために1996年にラムサール条約事務局が定めた日です。
ラムサール条約は、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」のことです。
湿地と聞くと、ドロドロとした地面のことだけを思い浮かべる方もいるかもしれません。
ですが、ラムサール条約では沼沢地・湿原・泥炭地または陸水域・および水深が6メートルを超えない海域などを湿地と定義しています。その中には、湿原・湖沼・ダム湖・河川・ため池・湧水地・水田・遊水地・地下水系・塩性湿地・マングローブ林・干潟・藻場・サンゴ礁などが含まれます。
つまり、ズーラシアで飼育している海鳥たちにとっても、湿地は生きていくのに欠かせない大切な場所になります。
〈ズーラシアのオオワシ ワシオ〉
というわけで、今回は少し日本のラムサール条約登録湿地と湿地の重要性についてお伝えしたいと思います!!
日本には、全部で53か所のラムサール条約登録湿地があります。
日本最初の登録湿地は、北海道にある釧路湿原で1980年に登録されています。
ここは、野生のオオワシが越冬期に利用している場所でもあります。
〈釧路湿原〉
そして、絶滅したと考えられていたタンチョウが、1924年に再発見された場所でもあります。
(余談ですが、去年はタンチョウ再発見から100年を迎えた年でした。)
〈タンチョウのつがい〉
北海道には他にも阿寒湖、ウトナイ湖、野付半島など全部で13個の登録湿地があり、水鳥にとって大切な湿地がたくさんあることが分かると思います。
〈阿寒湖〉
〈野付半島〉
登録湿地は、関東にもいくつかあります。
最近だと、2018年に東京都江戸川区にある葛西海浜公園が登録されています。
千葉県習志野市には、1993年に登録された谷津干潟という湿地があります。マンションや学校、高速道路に囲まれた場所ですが、たくさんの水鳥が生息するのに欠かせない場所になっています。葛西海浜公園や谷津干潟には、冬になると様々な種類のカモメがやってきます。
〈葛西海浜公園の海に浮かぶカモメの仲間〉
湿地は水鳥を含む生き物にすみかを提供するだけではなく、私たち人間にとっても大切な場所です。湿地はきれいな水や食べものを提供し、そして、洪水や暴風雨から私たちを守ってくれています。
つまり湿地を守ることは、様々な生き物を守り、それは巡り巡って私たち人間の生活を守ることにも繋がります。
しかし、世界では1970年~2015年の45年の間に湿地の約35%が消失しており、湿地は急速に失われつつあります。
水鳥を含む生物にとっても、人間にとっても欠かせない湿地。
世界湿地の日を通して、少しでもその重要性を学んでいただけたら幸いです。
〈水浴びをするズーラシアのカモメたち〉
飼育展示係 田中