
更新日:2025.02.15西からのそっくりさん
更新日:2025.02.15
西からのそっくりさん
またトンボの話です。
2024年度は、久しぶりに夏の間ころころ広場の池に開放水面があったためか、最近見られなかった種・今まで見られなかった種が確認された年でした。
ところで少し話は変わりますが、関東出身の皆様、子供のころ夏の間クマゼミは鳴いていましたか?
35年以上前から大阪では普通に鳴いていたクマゼミ。25年前ごろは神奈川県ではあまり聞きませんでしたが、今では割と聞くことも増えてきました。
クマゼミはほかのセミより高温や地面の乾燥に強く、温暖化の影響により西からどんどん進出してきているといわれています。
そんなクマゼミ同様、温暖な環境を好み西から東進してきているトンボもいるようです。
言わずもがな、以前紹介したウチワヤンマにそっくりです。が、よおく見くらべてください。
上が以前紹介したウチワヤンマ。
下が2024年に初めてズーラシアで確認された種です。
腹部後端の団扇状の突起が少しだけ小さく、色も黒一色。脚も黒一色で、腹部の付け根は背中側まで黄色いことが分かります。
この種はタイワンウチワヤンマ。見た目通りウチワヤンマとは近縁で、好む環境も同じですが、もともと国内でも暖かい地域に住んでいて、21世紀に入るまで神奈川県では確認されていませんでした。今では南関東域では分布が確認されているようです。
(おそらく)温暖化の影響で東進しているといわれているため、人の手によって連れてこられた外来種とはちがいますが、クマゼミにしろタイワンウチワヤンマにしろ、気が付けばその分布を広げています。
皆さんも身近な生き物たちを継続して観察していると、何気ない温暖化の影響ももしかしたら身近で感じられるかもしれません。