更新日:2022.09.22ブログ de トラベル ～ アメリカ南西部⑧ ～
更新日：2022.09.22
ブログ de トラベル ～ アメリカ南西部⑧ ～
さあ、アメリカ出張編も佳境に入ってまいりました。どんどんご紹介していきますよ。
TC保護センターの敷地には温室もあり、冬に加温が必要なカメたちが飼育されていました。
温室の中は細かく仕切られており、それぞれの種に合わせて飼育施設を用意していました。植物も植えられていて、カメが好みの場所にいるといった感じ。やはり動物飼育には植物の知識も必要ですね。
水槽もいくつかセットされていて、日本の動物園水族館では野毛山動物園の血統しかいないインドセタカガメも飼育されていました。ワシントン条約附属書Ⅰで、野毛山には密輸個体が摘発、保護されてやってきた種です。日本では合法的に導入するのが難しい種で、TCと横浜とで連携が取れれば血統更新も進むかもしれません。
日本の天然記念物、更にワシントン条約附属書Ⅱのリュウキュウヤマガメも飼育されていました。リュウキュウヤマガメは最近違法採集、密輸が問題になっているカメで、沖縄の動物園では飼育個体が盗まれるといった事件も起きています。
職員の方が隠れていた個体を見つけ出して見せてくれましたが、立派なオスの個体でした。
こんな感じでいくつもの間仕切りで分けられた長屋の様な施設で飼育されていました。それぞれの小間で1頭ずつ飼育しており、オスとメスが隣り合わせにいて繁殖期に間仕切りを開けて同居を行い、繁殖させているとのことでした。
私が見学に行ったときには、人工孵卵施設でリュウキュウヤマガメの卵も孵卵していました。私が野毛山でリュウキュウヤマガメの繁殖に成功したときは、TCやTSAの文献を参考にして、孵卵温度などを決めたので感慨深かったですね。
TCの保護センター編、というかアメリカ出張編、あと2回くらいで終わりそうです。
飼育展示係 桐生