更新日:2018.09.25獣医師の1日
獣医師の1日
金沢動物園にご来園いただく方達の中にも、ご自宅でわんちゃんネコちゃんなど様々な動物達と一緒に暮らしている方は多いのではないでしょうか。
そして街の動物病院の獣医さんにお世話になった事もあるかと思います。
さてさて金沢動物園にも、小さな動物から大きな動物まで様々な動物達がいますね。
そしてもちろん、その動物達の健康を守るために「獣医師」が存在しています!
皆さんは園内を見ていて、飼育員を見かける事はあっても、獣医師を見かける事は中々無いのではないでしょうか。
そこで今回は目立たないながらも、日々頑張っている獣医師達の1日を簡単にご紹介したいと思います。
「おはようございます!」
朝出勤した獣医師がまず行うのは、保護した傷病鳥獣の見回りです。
金沢動物園ではケガをした野生のタヌキや鳥類などの保護受け入れを行い、動物病院内で元気になるまで飼育し、再び野生に戻す活動をしています。
それら動物の治療や経過観察を行います。注射を打ったりケガの様子を見たり...。
この日は、前日の雨でびしょ濡れになってしまったトビがいたので、ドライヤーで乾かしています。
トビが濡れていて、少し不気味な写真になってしまいましたが、クチバシと目が見えています。
次に行うのは園内動物の見回りです。
この車、見たことある方もいると思います。獣医師が乗って園内を巡回しています。
基本的に毎日全ての動物達の元に行き、飼育員さんから今日の動物達の様子を聞き、必要であれば検査や治療などを行います。
動物達は体調不良を隠そうとします。弱っている面を見せたら天敵に襲われてしまいますからね。
そんな時に活躍するのが飼育員です。
毎日担当の動物達を注意深く見ているので、何か異常があったらすぐ見つけ、獣医師に教えてくれます。
飼育員の力があってこそ、獣医師もスムーズに業務が行えます。
この日は、少し体調を崩していたカンガルーの子どもに点滴を行いました。
子どもといえどカンガルー。
元気に跳ね回るので、人間も動物もケガをしないように慎重に作業を行います。
園内の巡回が終わったら、大体午前中の業務は終了です。
お昼休憩を挟み、午後の業務の開始です。
午後は、主に午前中に動物達から採血した血液などの検体を検査します。
皆さんも病院で採血や尿検査など行った事ありますよね。動物達も同じです。
このような血液検査の機械や顕微鏡を用いて、様々な検査を行います。
それらの検査結果から動物の状態を判断し、投薬などの治療方針を決め、担当の飼育員と話し合い、実際に治療を行っていきます。
また、手術が必要と判断した動物がいる場合には、手術を行う事もあります。
とても大まかではありますが、以上が基本的な獣医師の1日となります!
午前午後問わず、動物達はいつ体調を崩したりケガをしたりするか分からないので、その都度臨機応変な対応が必要です。
最後に、翌日のための準備や今日行った事などの記録を整理して、1日の業務は終了です。
さて、園内動物に接する職員は帰宅する前に、事務所内に併設されているお風呂に入ります。
しっかりと体を清潔な状態にしてから、帰宅しています。
皆さんも、動物園で動物と触れ合った後は、しっかりと手を洗うようにしましょう!
それが周りの人への配慮でもあります。しっかりマナーを守って、動物園で楽しく動物達とお過ごしください。
清潔になったところで、動物園での1日は終了です。
「お疲れさまでした!」
明日も1日頑張りましょう!
(獣医師 さわだ)