更新日:2020.11.14「エンリッチメント大賞2020"敢闘賞"受賞しました」!! ~その①~
「エンリッチメント大賞2020"敢闘賞"受賞しました」!! ~その①~
みなさんこんにちは、ゾウ担当の須藤です。
この度、エンリッチメント大賞(※1)2020にて当園ゾウチームの「インドゾウのQOL(※2)向上の取り組み」が"敢闘賞"を受賞しました。
これまでゾウチームが長年続けてきたゾウの為の取り組みが評価されたものです。
これを機に、受賞内容を数回にわたってこのブログでご紹介しようと思います。こんな風に少しずつゾウ達の生活が変わっているんだなと感じていただければ幸いです。
まず、ゾウ達の飲食に関する取り組みをご紹介します。
ゾウは野生では1日のほとんどをエサ探しと採食に費やすのですが、動物園では人がエサを与えるため探す手間が無く、暇を持て余してしまいます。その暇な時間を削減するために、以下のようなものを考案しました。
・採食時間を延ばす工夫
食べるのに手間のかかる枝や竹を与えています。口に入れるために折ったり細かくする必要があり、ゾウ達の食事時間の延長につながります。
「竹を折って食べるヨーコ(メス)」
・人がいない時間にもエサを与える工夫
担当者がいない時間にもゾウに採食をさせることで暇な時間を削減する取り組みです。
展示場内に現在は2種類の給餌器を設置しています。現在は5~6時頃と13~14時頃に合計4回可動させています。
「タイマー式自動給餌器(写真右端の茶色の箱)とヨーコ」
・いつでもきれいな水が飲める工夫
ゾウの寝室にある水桶をセンサー式にしました。水桶(矢印)の上にセンサー(斜線矢印)が付いていて、ゾウが水桶に鼻を延ばすと水が出る仕組みです。お湯も出すことができ、冬にはゾウ達がいつでも暖かいお湯を飲めるようになっています。
「寝室の水桶」
(なお、自動給餌器と水桶のセンサーシステムは当協会の動物への寄付制度「アニマペアレント」の資金で設置していただきました。ありがとうございました。)
これらの取り組みで、ゾウが退屈やストレスを感じた時に行う行動(常同行動)を一定量削減することができました。
次回は施設面での取り組みをご紹介します。
ゾウ担当 須藤
※1 「動物園や水族館で取り組んでいる環境エンリッチメント(飼育動物の飼育環境を豊かにする取り組み)を正しく理解、評価することが動物たちの豊かな飼育環境づくりの最大の応援になる」との思いから、自薦、他薦を問わず公募され、一次審査、現地調査・ヒアリング、 二次審査を経て、大賞、他各賞が選ばれます。主催は特定非営利活動法人市民ZOOネットワークです。
※2 「Quality(クオリティ) Of(オブ) Life(ライフ)」の略語で、生活の質や暮らしの中の幸福を尺度としてとらえる概念です。