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スズメのイヤイヤ期の写真

更新日:2020.09.06スズメのイヤイヤ期

更新日:2020.09.06

スズメのイヤイヤ期

「イヤイヤ期」。

子育て経験者の方にとっては、おなじみの言葉ですね。2歳前後の子供が、自我の芽生えと、自ら主体的に行動したいという自立心の始まりを、「イヤ」という言葉や行動として表すようになる時期です。

「あれイヤ!」「これイヤ!」「○○しない!」

そして、とどめの一撃は、「ママ(パパ)イヤ~っっ!!!」と、こんな具合に。

 

かく言う私も二児の子育て中の身で、下の子は今まさに絶賛イヤイヤ中です!イヤイヤ期は、精神面の発達上とても大切なプロセスだと言われていますが、四六時中イヤイヤと言われ続ける側としてはたまりません・・・。

日頃、色々な動物の子育ての様子を垣間見ている身としては、人間の成長って呆れるほどゆっくりで非効率的!と思うことが多々あります。

動物の赤ちゃんは良い意味で、単純ですくすく育って・・・。

 

いえいえ、実は意外とそうでもありません。動物にもイヤイヤ期があるのです。

 

その代表格が、こちら。スズメです。

写真①.jpg

 

まずは、スズメの成長過程を見てみましょう。

こちらは、ふ化後間もない裸雛。

写真②.jpg

大人の指先くらいの大きさです。こんなに小さくても、野生の本能とは逞しく、お腹が空くとピーピーとないて口を開けてきます。

 

そして、少し成長した姿。

写真③.jpg

我先にと口を大きく開け、差し出された餌をパクっと食べる姿は、とっても可愛らしいです。

 

ところが・・・、

巣立ちを迎える頃、スズメのイヤイヤ期は突然始まります。今まで素直に口を開けていたのが一転、「出された餌は食べません!」とばかりに頑として口を開けなくなるのです。このハンガーストライキの最大の問題点は、この時期の雛の多くはまだ自力で餌を食べることができないことです。

「イヤで~す!」

写真④.jpg

で、最終的にこうなります。

写真⑤.jpg

おそらく、餌となる食物の豊富な野生下であれば、この時期を経ることで、何とかして自分の意志と力で餌を探して食べるようになるのでしょう。

一方、飼育下では用意できる餌が限られてしまいます。そのため、この時期の飼育担当者は毎日何とか餌を食べてもらおうと必死です。スズメと担当者との格闘が続くこと数日。大抵の雛はいつの間にか自力で餌を食べるようになり、あっけなく独り立ちを迎えます。急に手がかからなくなった雛を見ると、親離れした子を見るようで少し寂しくもあります。

ともあれ、現在お子さんのイヤイヤ期に奮闘中のママさん・パパさん。

イヤイヤするのはスズメも同じ、自然の摂理。

大丈夫!きっと、多分、いつか、あっけなく終わります!!

・・・ただし、人間の場合はスズメよりもかなり時間を要しますが()

注)野鳥など野生動物を許可なく飼育することはできません。

傷病鳥獣保護事業については、こちらをご覧ください。

(母ちゃん獣医)