更新日:2024.08.01実は...
実は...
スーチョワンバーラルのザクロが無事誕生しましたが、実は心配なことが2つありましたと前回のブログで書きました。
そのときのブログ:「ザクロ」誕生!
心配だったことの1つ目は、夕方になっても母乳を飲んでいるかどうか確認できなかったことです。
母親は、分娩から数日間の限られた期間にだけ、多くの免疫抗体を含む「初乳」という母乳を出します。
この初乳を飲むことによって赤ちゃんへ免疫抗体が移行するので、健康上とても大切で必要なものになります。
ザクロ自身、母乳を飲もうとする意思はあったのですが、お母さんの乳首がどこにあるのか分からない様子でした。
母タンゴも疲れて座ってしまっています。
母親の乳首を探して歩き回ったザクロがたどり着いた先は、なんと水入れの下でした。
下に潜り込んだり、薄暗い感じが母親のお腹の下と似ていたのでしょうか。
タンゴが立ち上がっていても水入れの下に行くようになってしまいました。
水入れの下に行き、母乳を飲もうと頑張って、疲れて座る、という行動を繰り返していました。
別の作業などで離れているときの様子もカメラで確認していたのですが、間違って母親の前肢のつけ根に吸い付こうとしたり(乳首は後肢のつけ根にあります)、おっ飲めたか?と思うような瞬間があっても頭の入り方が浅く感じて確証が持てなかったり。
結局、確実に飲んだ!という場面がないまま夕方になってしまいました。
バーラルは、産まれて1~2時間ぐらいで授乳を確認できることが多いのですが、ザクロは6時間たっても授乳が確認できていない状況でした。
先輩職員と獣医と話し合った結果、人が乳首まで誘導して介助しながら飲むか試してみることに。
見えづらいかと思いますが、タンゴの乳首にザクロを近づけている様子です。
授乳中のように見えますが、このときもまだ飲んでいません。
何度か誘導しましたが一向に飲む気配がなかったので、別の方法を試すことに。
母乳を搾って哺乳瓶で飲ませる方法です。
初めてのことなのに、搾乳中もじっと動かず待ってくれるタンゴ。えらい...!
さっそくザクロに哺乳瓶をくわえさせます。
さあどうだ!!.........の、飲まない...。
くわえはするものの、残念ながら吸い付きはしませんでした。
これ以上無理に続けると親子へのストレスが大きいと判断し、最後に体重を量ってこの日は終了しました。
そして翌日、夜間の様子をカメラで確認すると無事に授乳していました!!
体重もしっかり増えていました。きちんと母乳を飲んでいる証です。
日中にも授乳を確認することができました。
水入れの下はその後、ザクロのお気に入りスポットになっていました。
現在も母乳を飲んでぐんぐん成長中です♪
もう一つ、心配だったことがあるので次回はそのことについてお話ししようと思います。
飼育展示係 いかり