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ミツマタの写真

更新日:2018.03.06ミツマタ

更新日:2018.03.06

ミツマタ

3月6日は二十四節気のうちの「啓蟄(けいちつ)」、

その意味は「冬ごもりしていた虫たちが、冬眠から覚めて地上に這い出てくること」とされます。

しかし、先月は「立春」とは名ばかり、「雨水」を経過した後もずっと寒い日が続いたので、

虫たちも信じていいのか分からず、きっと二の足を踏んでいることでしょうね。

1月22日の大雪の前に咲き始めたアメリカ休憩所裏のカワヅザクラは、

その後のあまりの寒さに、文字通りフリーズしたまま進展が見られなくなってしまいましたが、2月下旬にやっと満開に達したほどです。

今回は、ののはな館前で咲き始めたミツマタにスポットをあててご紹介してみようと思います。

ha20180228-1写真1.jpg

ミツマタは中国南部からヒマラヤ地方に自生する、ジンチョウゲ科の落葉低木で、

枝ぶりが自然に丸く育ちます。芳香もあります。

いつの頃我が国に入ったのか定かではありませんが、江戸時代に和紙をつくる原料として意識的に栽培され出したと言われています。

ha20180228-2写真2.jpg黄色い萼筒から4本の雄しべがのぞけます

枝が必ず三つに分かれる性質があって、これが名前の由来になっています。

誰が見てもわかる! これほど単純明快でわかりやすい名前も少ないですね。

花は、葉っぱが展開する前に、枝先に、小さな花が集合した球形の頭花という形でつけます。

ha20180228-3写真3.jpgちょっと見、ハチの巣を下向きにつけたようです

花びらに見える部分は長い筒状の萼で、先端が4裂して反り返っています。花弁はありません。

花には長い雄しべが4本見え、その内部に短い雄しべ4本と雌しべ1本が隠れています。

ha20180228-4写真4.jpg長い萼の外側は白い毛に覆われています。

ミツマタは、繊維をばらばらにほぐしてから漉くと、大変丈夫で破れにくい和紙がつくれます。

日本円の紙幣に使われていることはよく知られています。

しかし、最近は生産者の高齢化や、労働に見合わない価格水準によって国内生産は下火となり、

かわって中国・東南アジアからの輸入が大半を占めているそうです。

私たちが日頃からお世話になっているというのに、残念なことですね。

ha20180228-5写真5.jpg同じ仲間のジンチョウゲ、これも中国産。

再び、「啓蟄」について。 

江戸天明期の『こよみ便覧』にも、「陽気地中に動き、ちぢまる虫、穴を開き出ればなり」とあるそうです。

私たちも、ちぢこまった体を伸ばして外へ野へ出て行きましょう。

ha20180228-6写真6.jpgオニシバリ 夏に落葉(別名ナツボウズの由来) 繊維が丈夫で鬼もしばれるくらい!

金沢自然公園はこれから山野草が続々と咲きだす季節を迎えます。散策にハイキングにぜひお越しください。お待ちしています。

(担当:マグノリア)