更新日:2016.08.23オミナエシとオトコエシの共演
オミナエシとオトコエシの共演
立秋が過ぎ、暦の上で秋とは言ってもまだまだ暑い日が続いています。
ののはな館の前庭、にこにこプラザではグリーンの中のそこかしこにオミナエシの花が真っ盛りです。
オミナエシはオミナエシ科の多年草で、日当たりのよい草地に生えます。
夏までは丈の低いロゼット※ですごしていますが、初夏を迎えると急速に細長い茎が伸び、夏から秋にかけて小さな黄色い花がかさ状に群がって咲きます。
(※ロゼットとは、本来はバラの花の形を表す言葉。葉が冬越しの間、地べたに平面的・放射状に広がった様子のこと。)
万葉の時代から歌に詠まれて、山上憶良による「秋の七草」のひとつにも数えられており、「お盆花」の代表でもあります。
すらりと背の高い花が風にそよぐさまは実に優美ですね。
その名は日本女性のやさしさを見立てたものと言われるのも納得です。
昔は身近な野原や草地にごく自然に見られましたが、開発が進んだ現在ではなかなか自生している個体を見つけることはできません。
どうやら、この植物はどこにでも生えて勝手に増えるというような器用さは持ち合わせていないようです。
全草を乾燥させて煎じたものは醤油が腐ったような臭いがすることから敗醤と呼ばれ、生薬になります。
ところで、本年はオミナエシの群落のそばにうまいあんばいにオトコエシが生えてきて、遅ればせながら今、花を開き始めました。
これは、春先にオミナエシに似てはいるものの、ちょっと雰囲気がちがうロゼットを見つけ、その後で踏まれたり、刈られたりしないように保護してきたものです。
オトコエシは同じくオミナエシ科の多年草で、姿、形はオミナエシによく似ていますが、全体に毛が多く、茎は太くて、白い花を咲かせます。
その名のとおり、オミナエシにくらべると、より大きく、地味で、かつ男性的な感じがします。
にこにこプラザの柵の外の山側に母株と見られるオトコエシが生えていますが、一番大きいものは身の丈2メートル、生え際の太さは径2センチもありました。
オミナエシが短い地下茎で子苗を作るのに対し、オトコエシは根元から地表に長い匍匐枝を出し、その先端に新しい苗をつくって増えていくという性質があります。(この点はホタルカズラとよく似ていますね!)
しかし、ののはな館周辺の土はかたく、草もびっしりと生えています。
匍匐枝はせっかく伸びてもなかなか地表面に触れず、浮いたまま枯れてしまうことがよくありました。
そこで、今春は伸びて生じた節ごとに重しをのせ、その上に土を寄せてみました。
これで節から根が生え、新たな小苗ができるのを観察できました。
オミナエシとオトコエシは共に花期が長いのでしばらくの間ののはな館の前庭で同時に見ることができます。
初秋の風情をぜひお楽しみください。ののはな館でお待ちしています。
★玄関ポーチの袖にあるオキナワスズメウリのプランターの中にツノゴマが生えて花が咲いています。実らしきものもできてきました。いつタネをまいたのか記憶は不確かです!
(担当:マグノリア)