更新日:2024.08.04いろとりどり!な鳥の巣
いろとりどり!な鳥の巣
暑い一日が多くなってきましたね!春は過ぎ、あっという間に夏がやってきました。
春は、多くの鳥たちにとって繁殖の季節でした。
ズーラシアで暮らすカモメたちも、4月上旬ころから繁殖の行動が見られました。
巣材を運んで、巣を作って...。
こちらはウミネコの巣です。
巣の主であるウミネコのペアは、卵はなかったものの懸命に抱卵姿勢を取り続けていました。一体何を温めていたのかな?
こちらのキアシセグロカモメのペアは、立派な巣を作っていました。
そして2卵、卵を産んでいました!
写真は1卵目産卵後の様子です。
懸命に温めていましたが、残念ながら雛は孵化しませんでした。
それにしても、鳥の巣の中をのぞく時はいつも神聖なものを見させてもらったような気持ちになります。
ところで、鳥は種類によってさまざまな巣を作ります。
カモメ類は、枯草などを集めて地面に巣を作ります。
形は巣材を丸く囲んで、中央をへこませたような形です。このへこんだ部分に卵を産んで、親鳥は抱卵をします。
一方でカモメたちの隣で暮らすオオワシは、木の上の部分に木の枝を組み合わせて立派な巣を作ります。
飼育下では大きな木を用意して好きに営巣してもらうのはなかなか難しいので、巣台を用意します。ズーラシアでも、観覧側から右奥側に巣台があるのでぜひ見てみてください。
そして巣材も、飼育下では限りがあるので飼育員が投入し、好みの大きさや長さのものを運んで営巣してもらいます。カモメたちにはムギワラを投入してみたところ、よく好んで運んでいました。
野鳥でも、営巣している様子や子育てしている様子を見かけることがあります。
私たちにとって一番身近でよく見かけるのはツバメでしょうか。
ツバメは泥や枯草を集めて、固めて巣を作ります。
垂直な壁に作っていますが、雛が大きくなっても落下することはありません。
本当にすごいです。
※野鳥の巣を観察するときは近づかず、長時間の観察は控えてください。親鳥に刺激を与えると子育てを放棄したり、巣立ち前の雛が驚いて落下したりする恐れがあります。
ひとことに鳥といっても、その生態は実にいろとりどりです。
巣だけでも、作る場所・作るための材料・形などなど...鳥によって全然違います。
動物園では、鳥に合わせて巣台を作成したり巣材を用意したりしているので、繁殖期にはそんなところにも注目して鳥を観察してみるとより楽しくなります!!
ぜひ観察してみてください。
飼育展示係 田中