
更新日:2020.06.16ムツアシガメの塚
ムツアシガメの塚
一枚目と二枚目の写真を見比べて皆様なにかお気づきですが?
画角が違う?違います。
見比べると、小屋内に塚ができています。
こちらの塚、ムツアシガメが自身で作り上げました。
作ったムツアシガメ。
トマトが大好きな個体です。
野毛山動物園には2017年に来園しましたが、過去の動物園での飼育歴云々を換算すると40歳近い個体になります。
ある日ふと展示場を見ると熱心に小屋周囲を開墾しています。来る日も来る日も展示場を開梱しています。気づくと小屋内に色々集めています。来る日も来る日も。
何をしたいんだろうと思って、色々調べてみると、ムツアシガメは個体によっては産卵後、塚のようなものを作る個体がいるということが分かりました。
ただ、塚を作っている最中にもそこらへんにポロポロと卵が転がっていたのが気がかりでしたが、もしかしたら塚の中に産卵したのかもしれません。
この個体、野毛山動物園に来てから産卵するものの、穴も掘らずにそこらへんに産み捨ててしまう個体でした。なにか改善できないかと思い、以前飼育されていた動物園の方に聞いてみても、その動物園でも産み捨ててしまっていたそうです。半ばあきらめかけていましたが今年は気合が入って塚を作っていたので、期待できそうです。
塚を作るのをやめて数日たったある日、期待に胸を膨らませてスコップ片手に発掘にとりかかります。
僕の労力を返してください。
塚内に卵は確認できませんでしたが、産卵行動と思われる行動をはじめて見ましたので、来年に期待します。けれども、もしかしたら今年限りの行動だったのかもしれません。
この普段とは違う動物園の閉園状況がこの行動を発現させたのかもしれません。
もしそうだったとしたら、それは動物園飼育の課題です。
来年も塚を作る行動ができるように、それをお客様に見てもらえるように飼育管理に努めたいと思います。
飼育展示係 大滝