更新日:2020.09.06ラージャー ピンチ!!!
ラージャー ピンチ!!!
インドライオンのラージャーは暑さが大の苦手。
毎年夏の蒸し暑い季節、
"どうやってこの夏を乗り切ろうか"と腐心しているのですが
今年のラージャーは案外ケロッとしていてあまりばてていないようです。
朝の様子は、いつもと変わりなくゴロゴロしていますが・・・
夜間開園がないからでしょうか。
折りたたんだ前足と上に挙げた後ろ足が何とも言えません
では何でラージャーがピンチなのか??
答えはこれ。
毎日の"ごはん"。そう肉なのです。
餌の肉は、量、質など季節や体調、体重の変化などを考慮しながら
適宜変更しています。
主に馬肉、鶏肉、牛の内臓や骨なのですが
困ったことにこの夏。
新型コロナウィルスの世界的な流行により
ラージャーたちの主食である馬肉の供給が不安定になっているのです。
多くの肉類は国内で調達できるのですが馬肉はほとんど外国産。
海外からの輸入が困難になっているようです。
元々ラージャーは夏場食欲が落ち、好き嫌いがはっきりしてくるのですが
馬肉は大好き、安定して食べてくれるので重要な品目。
それが今年は品薄状態。
飼料班や肉の納入業者の方も努力してくれてはいるのですが
十分な量が確保できません。
その分鶏肉などの他の肉で補わなくてはなりません。
しかし鶏頭や鶏肉を食べてくれない、残してしまうこともあるのです。
そこで少し面倒なのですがトングを使って
1個ずつ、あるいは1切れずつ口に持っていって食べさせてあげます。
なんと手のかかる王様なんでしょう。
いろいろなところに置いてみると・・・
何とか食べてくれます。
新型コロナウィルス、COVID-19。
感染するとかしないとかだけではなく
動物園に暮らす動物たちにもこんな形で影響しています。
最近、害獣として駆除されたシカやイノシシの肉を
動物園の肉食動物に与える、という試みが取りざたされています。
廃棄されているこれらの肉が、安全安心安価な状態で流通するようになれば
少しは海外に頼らずに、飼料としての肉が
安定して得られるようになるのかな?
世界中に蔓延する新型コロナウィルス禍が一日でも早く終息し
ラージャーが大好きな馬肉をいっぱい食べられる日が来ますように!!
(困った時には口笛を 田島)
"ラージャー"は,ヒンディー語あるいは古いインドの言葉、サンスクリット語で「王」の意味