更新日:2024.02.07ラージャーにもシカのお肉を
ラージャーにもシカのお肉を
舌ペロッで満足そうなインドライオンのラージャー。
実は・・・
あちらこちらの動物園で見られるようになった"屠体(とたい)給餌"をラージャーにも試してみたのです。
屠体給餌とは、有害鳥獣として駆除されたシカなどの肉を、
毛や皮、骨がついたまま肉食獣に与える、という給餌方法のことを言います。
本来ライオンは、獲物(餌)となる草食動物を捕らえ、毛をむしり皮を切り裂き
その肉や内臓を食べて暮らしています。
しかし動物園では、毛や皮がすでに処理された馬肉、鶏肉、
レバーのような食用に加工された肉類を与えています。
ラージャーには日に6~7㎏の肉類を与えていますが、5~10分で食べ終わってしまいます。
今までは、駆除された動物たちはほとんど利用されることなく処分されてきました。
SDGsの観点からも、ラージャーへのエンリッチメンとしても
是非取り組んでみたかったのが、この屠体給餌です。
前置きが長くなりました。
この日与えたのは、駆除されたシカの肢(あし)1本分。
これは衛生管理の徹底された施設で処理されたものです。
5㎏弱の、低温殺菌処理され、パッキングされたシカの肢1本です。
ラージャーに見せると、いつものように寄っては来ましたが
その反応は・・・
さっそくあげてみました。
ガウガウいいながら隅のほうに持っていってしまいました。
夢中でかぶりつき食べ始めた、かと思いきやすぐに休息してしまいました。
でも肢は口元にキープされています。
また食べ始めました。
でもまた肢はキープしたまま、座ってしまいました。
口元を見ると、かなり周囲を警戒している様子。
しばらくして見に行くと・・・
あれあれ、もう飽きてしまったのでしょうか⁉
実はラージャーに屠体給餌を行うのは初めてではありません。
過去に与えた時にも、途中でやめてしまうことがほとんどでした。
歳がいってからのチャレンジだったので、
見慣れないもの食べ慣れないものには保守的なのかもしれません。
あ!でもまた口元にあります。
まだ執着心はあるようです。
与えてから二日後の、シカの肢です。
ももの肉は残っていますがかなり食べている様子。
ラージャーなりにこの屠体給餌を堪能したようです。
その日の糞の中には、シカの毛が大量に混じっていました。
いつもは黒く軟便の時も多いのですが。
採食時間が長くなり便状も改善され、やはり屠体給餌の効果はありそうです。
2月11日11時からラージャー16歳の誕生日会を行います。
そしてラージャーには、シカの肢を与える予定です。
誕生日プレゼントとしては、いつものアヒル肉のほうが、ラージャーは喜ぶのでしょうが
心身の健康のためにはシカの肢のほうが良いのでしょう。
初めて来園者の前での屠体給餌となります。
多くの方にラージャーの16歳をお祝いしていただきたいのですが
シカの肢は生々しそうでちょっと苦手かも、という方は
遠目からお祝いしていただければ幸いです。
園路が狭い野毛山動物園、特にライオン前は狭く例年混雑して申し訳なく思いますが
譲り合って、
16年生きてきたラージャーに「おめでとう」を言ってあげてください。
当日の誕生会の間は、円滑な進行と
ラージャーへのストレスを考慮して写真・動画撮影はご遠慮いただきます。
多くの方から「#ラージャー16歳おめでとう」のメッセージもいただいています。
ありがとうございました。
またまた今回もアニマルペアレントの皆様の支援金により、
シカの肢を購入させていただきました。
感謝申し上げます。
(古い水夫 田島) Zoo is the peace!!