
更新日:2024.03.01コンドルの帰宅
コンドルの帰宅
昨年末に、県内で鳥インフルエンザが発生したことを受け、
野鳥との接触を防ぐことのできない鳥舎でくらす鳥たちは、
屋根のある場所に避難することを余儀なくされました。野毛山動物園にはそんなときのための予備の獣舎はもともとありませんので、
一時避難先として選定されているのはどこかの獣舎の空き小間です。
コンドルの場合は、実は、ライオンのいる猛獣舎とツキノワグマ舎でした!
※コンドルは特定動物(法律で「人の生命、身体又は財産に害を加える恐れがある動物」と
定められている動物)なので、特定動物を飼育できる許可を取っている場所でないと飼育できません。
猛獣舎の元トラがいた寝室で過ごすオスの「ショウ」。
環境が変わっても割とすぐに慣れたようで、餌も毎日ちゃんと食べてくれました。
飼育員目線ではこんなレアな共演も...
こちらはツキノワグマ舎に居候していたメスの「ヘンリエッタ」。猛獣舎の寝室よりも狭いので、申し訳ない気持ちでいっぱいで、せめて日光浴気分を...
と爬虫類館からライトを借りてきて付けてみました(写真のヘンリエッタの頭上の白い丸いもの)が、
特にその下を好むわけでもなく...ショウと違ってヘンリエッタは餌も残しがちで心配の毎日でした。
最初の方にも書きましたが、コンドルは特定動物といって、
特に繁殖期である冬季は興奮しやすくとても危険で、
毎日の掃除も展示場内に入って行いますが、時間をかけてじっくりというわけにはいきません。
そこで、このコンドルのいぬ間に大掃除をすることにしました!
しばらく大掃除できていなかった展示場は、コケやカビ、毎日の清掃では落としきれない
白い糞がガチガチに固まってしまっており、とても汚れが目立っていました。
そこで高圧洗浄機の出番です!
全体のビフォー写真を撮り忘れましたが、こちらはコケが生えて黒くなった擬岩の一部です。
こんな状態の岩でも高圧洗浄機をかけると...高圧洗浄機は非常に有能で、どんどんきれいになっていくのが楽しい作業ではありましたが、
なかなか広い展示場なため、通常の飼育作業の合間でやっていると3、4日かかってしまいました。
とってもきれいになりました!(写真で伝わるかはわかりませんが...)
これでも担当者としては大満足です。
鳥インフルエンザ警戒レベルが下がり(発生から28日間半径10km圏内で新たな発生事例が
ないことなどの条件があります)、コンドルたちが外に出られる日がやってきました。
まずはヘンリエッタから。ツキノワグマ舎では、箱を持っていくと帰れることを悟ったのか(?)、自分からすんなり箱に入って、
飼育員の手を煩わせることなくとってもスムーズに移動してくることが出来ました。
コンドル舎について、箱をあけると、またすんなりと出てきて、テクテクと歩いていきました。
こちらはショウ。箱から出てすぐ伸びでもするように羽を広げます。開放感を味わっているのでしょうか?
プールサイドで羽をバサー。
この時少し乱れている羽も、今ではきれいになっていますのでご心配なく。そしてテクテク歩いていきました。
ちょうどコンドル舎に戻した日は、あいにくのお天気でしたが、こちらは後日の様子。気持ちよさそうに朝の光で日光浴中の2羽。
やっぱりお外がいいよね!
まだまだ県外では続々発生中の今年の鳥インフルエンザ...今シーズンの早い終息を願うばかりです。
飼育展示係 永井