更新日:2024.08.29ベビーラッシュ!
ベビーラッシュ!
7月21日と8月4日に、フサオマキザルの赤ちゃんが生まれました。
7月21日の夕方。
「まこと」が赤ちゃんを抱えているのを確認しました。
「まこと」は群れの最高齢で、過去に11頭の子育てを経験している大大大ベテラン母ちゃん。
慣れた手つきで授乳もこなし、順調に赤ちゃんを育てています。
生後8日目の「まことベビー」。
そしてその2週間後、8月4日の朝には「ジュンイチ」が赤ちゃんを背負っているのを確認しました。
「ジュンイチ」という名前ですが立派なメスです。
「ジュンイチ」は「まこと」ほどのベテランではありませんが、過去に2頭の子育てを経験した中堅母ちゃん。
子育てに関してあまり心配はしていませんでした。
しかしこの数時間後、予期せぬ事態が。
昼過ぎ、赤ちゃんを2頭抱えている個体が出現。
なんと「まこと」が「ジュンイチ」の赤ちゃんを取り上げてしまったのです。
2頭の赤ちゃんをおんぶ&抱っこやダブルおんぶでお世話をする「まこと」と、赤ちゃんを返してほしくて周りをウロウロする「ジュンイチ」。
フサオマキザルは赤ちゃんが生まれると群れのみんなでお世話をする習性をもち、お母さん以外が赤ちゃんをおんぶしていること自体は珍しいことではありません。
しかし、自分の仔もいる上に他の赤ちゃんまで同時にお世話しようとするのは稀かと思います。
それも母親から無理やり取り上げてまで...。
なぜこのような行動をとったのかは不明ですが、「まこと」はかなり母性が強く過保護な一面がある個体です。
「ジュンイチ」は過去に赤ちゃんを落としてしまったことがあり、もしかしたら「ジュンイチ」に任せず『この子も私が育てる!』となってしまったのでしょうか...。
また、「まこと」は群れで一番強い個体のため、「まこと」の行動に対して強く出られる個体もいません。
ちなみに、「まこと」は「ジュンイチ」の母でもあるのです。
娘に対して母のお節介が働いてしまったのかもしれません。
もしくは、22歳とそろそろいいお歳になってきた「まこと」。
出産もこれまで1~2年毎にしていたのが、今回は3年ぶりでした。
群れのみんなに『私はまだまだこんなにやれるんだぞ!』と威厳を見せたかったのか、はたまた久しぶりの出産で母性が爆発したのか...。
大勢の方の前で堂々のダブル授乳も披露。
湧き上がるギャラリー、涼しい顔をしつつも(返してあげてほしいな...)と内心ドキドキの私。
その後、ナイトのげやま開催中の19時30分ごろに「ジュンイチ」に赤ちゃんが戻っているのを確認。
翌日以降も無事それぞれ自分の仔をお世話していました。
「まこと」も2仔同時の子育てを半日やってみて、やはり体力的にきつかったのでしょうか。
しかし、4日後にまた「まこと」の欲張り子育てモードが発動。
その時は数分で「ジュンイチ」に赤ちゃんを返していました、
以降、ごくたまに短時間取られることもありますが、「ジュンイチベビー」は基本的には「ジュンイチ」がおんぶしてお世話をしています。
「ジュンイチベビー」が生まれた日はナイトのげやまの開催日だったこともあり、多くの方が前述の状況をご覧になり、その後どうなったのか気にされていた方もいらっしゃるかと思います。
ご報告が遅くなりましたが、赤ちゃんは2頭とも無事すくすく育っていますので、ご安心ください。
生後29日目の「まことベビー」。
生後15日目の「ジュンイチベビー」。
名前はもう少し大きくなって、性別がわかったらつける予定です。
2頭の赤ちゃんの成長を、どうぞ温かく見守ってください。
(飼育展示係 小島)