更新日:2020.11.22森へ
森へ
少し前にトビの放野のブログがあったので、今度は哺乳類編。
野毛山動物園の傷病鳥獣の保護は圧倒的に鳥類が多いので哺乳類が来ることは少ないのですが、それでも哺乳類だって保護されます。
そのほとんどがこの動物。
そう、ホンドタヌキです。
ホンドタヌキは基本は山の方で生活していますが、住宅街に出てきてしまうこともしばしば。横浜市内でも保護件数はそこそこあります。
少し前にマンションの敷地内の側溝でぐったりしていたとタヌキが持ち込まれました。
足の骨と骨盤の骨が折れていたこの個体。
野生復帰出来るだろううか...と心配になりつつも、骨折オペ、テーピング、ケージレストを経て、時機を見て少し広い部屋に出したところ、動き回る逃げ回る。
挙句に何とか外に出れる場所はないかと、鳥類を収容する時用にと設置している止まり木にまで登ってしまう始末。
逆にここで止まり木から落ちたりして再骨折しては大変。
そして本格的な冬が来る前に自分の居場所を見つけられるように今のうちに野生に返そう!とまだ日中は暖かい晴れた日に放野することにしました。
マンションの敷地内にいたと言っても、そこに放野するわけにもいかないので、緑の多い森になっているところに行きました。
さて、どうかな?扉を開けます。
出てきません。しばらく待ちます。。。
そしたら恐る恐る出てきたものの、え?振り返る?!
たいていのホンドタヌキはケージを開けると一目散に森に消えていくのに、この個体大丈夫かしら...?
なんて心配しましたが、周りを見渡したのち!森だ!!とやっと気づいたのか慌てたように奥の方に走って消えていきました。(走り去ってるので写真はブレております...)
骨折の状態から思うと無事に放野できて、本当にめでたし、めでたし。
とはいえ、これからあのホンドタヌキも厳しい自然の中で生きていかねばなりません。
やはり、その行く末は神のみぞ知る...ですね。
Good Luck!
(飼育展示係 百武)