更新日:2021.08.01「ハズバンダリー・トレーニング」始めました!
「ハズバンダリー・トレーニング」始めました!
皆さんは「ハズバンダリー・トレーニング」という言葉をご存知ですか?
「ハズバンダリー・トレーニング」とは、動物に「芸」をさせることを目的としたトレーニングの事ではなく、あくまでも「動物の健康管理」を目的としたトレーニングの総称です。
現在では全国各地の動物園で盛んに行われ、野毛山動物園でもこれまでにライオン・ツキノワグマ・キリン等で取り組んできました。
「ハズバンダリー・トレーニング」は動物たちの健康管理をより確実に行うために重要なものなので、遅ればせながら当園のチンパンジー達も、6月後半から本格的に開始しました!
さてこのトレーニング、どんな内容かというと・・・
こちらはαオスのコブヘイに、口を大きく開けてもらっているところです。
こうすれば歯や口腔内に異常がないか、しっかりと確認することが出来ます。
同じくコブヘイに、大きな手をケージの外に出してもらっているところ。
飼育下では爪が伸びやすいため、将来的には爪切りのトレーニングも進めて行く予定です。
こちらはメスのミラクルにお尻を向けてもらい、性皮を触ってその張り具合を確認しているところです。
また、ミラクルは生理出血の有無が分かりにくいため、陰部周辺に血痕が付着していないかの確認を至近距離から行います。
ちなみに、最もトレーニングの進行が速いのは、毎度おなじみコウタロウ!
口、手、お尻の各動作に加え、
足、
耳、
お腹と胸、さらには頭・背中など、当初予定していた動作のほとんどを、約1ヶ月でマスターしました。
チンパンジーの子供は人間の子供と同じで、学習するスピードがとても早いようです!
さてさてこのように始めた「ハズバンダリー・トレーニング」ですが、何よりも大切な事は、チンパンジー達が楽しんでトレーニングを行えること!
これからも4頭のチンパンジーと楽しく協力し合いながら、健康管理に必要な様々なトレーニングに取り組んで行けらと思います。
(チンパンジー係2年生 伊原)