更新日:2017.01.30物置の中には...?
物置の中には...?
これは、動物園内の事務所裏にある物置です。ここはいつも日陰になっており、ひっそりとしています。
物置とは、普段使わない物を入れておく場所だと思うのですが、ここには一体どんなものが入っているのか、ちょっとのぞいてみましょう。
段ボールなどの空き箱の他に、いくつかの昆虫ケースを発見!!
ケースの中をのぞいてみると・・・?
なんと!ヘビが入っていました!!
ここにいるヘビたちは、暖かい爬虫類館から移されてきています。日本産のヘビ(ヒバカリ等)なので、一年中暖かい爬虫類館ではなく、野生本来のリズムを崩さないために自然に近い温湿度で飼育しています。(爬虫類担当談)
おやっ?このケースの中にも、生き物が!!
ハンカチの裏側にぶら下がっているのは、11月に保護されてやってきたヒナコウモリです。
動物園では、傷ついた野生動物の保護活動も行っており、このヒナコウモリも市民の方が動物園に持ち込みました。
日本に生息するコウモリの多くは、飛びながらエサとなる昆虫を採食します。コウモリたちは、エサとなる昆虫が少なくなる冬の間は、基本的には冬眠しています。けれども、少し暖かい日には「ねぐら」から出ることもあるようで・・・。年に数件ですが、冬の間にコウモリが保護されてきます。
この個体は、特にケガはしていなかったのですが、エサをうまく捕えることができずに弱ってしまったようで、体重が少なかったこともあり、しばらく飼育することにしました。
「物置暮らし」にしているのは、雨風や、急激な温度変化も避けることができ、「ねぐら」とは異なりますが、少しは自然に近いかなぁと思ったからです。
エサをあげる時は、少し暖かいところに移動させて代謝をあげ、活動的になったところで口元にミルワームを持っていきます。しばらくすると・・・。シャクシャクと音を立てながら、一本ずつ食べ、一度に30匹くらい食べます。
お腹がいっぱいになってくると、ソワソワと動き出すので、食事の時間を終わりにして、体重測定し、また物置暮らしに戻ります。体重をみながら、1~2週間おきにエサを食べさせています。
毎日、物置内の温湿度を計測しながら様子をみています。
春になったら、無事に野生に放せるといいなぁ。
(飼育展示係 五十嵐)