更新日:2019.05.24クロツラヘラサギの巣立ち
クロツラヘラサギの巣立ち
今年も、クロツラヘラサギが3月中旬ごろから産卵、抱卵を始めました。
中を確認しようとするとこんな風に親鳥がすごい剣幕で威嚇してきます。
それでも、もうちょっと我慢してもらって、巣の中を見ると
しっかり卵を産んでいました。
でも、何度も巣をのぞくと親鳥が抱卵をやめてしまうので
しばらくは、掃除や給餌も親鳥に気を使っての作業になります。
ついに4月14日に1羽ヒナが孵化しました。
孵化は、巣の下に卵の殻が落ちていることとヒナの鳴き声で確認できます。
実はクロツラヘラサギのヒナが無事に育つケースは国内でも少なく、まだわかっていないこともたくさんあります。
そのため、親鳥が雛に餌を与えるか、雛がちゃんと消化できるかなどなどしばらく気の休まらない日が続きます。
孵化から10日目ぐらいに、巣の中を確認してみました。
またもや、親鳥に怒られながら、やっとかわいい雛の写真が撮れました。
心配していたよりも、大きく育っていたので、ひと安心です。
2週令ぐらいになると、やっと巣から雛の顔が少し見えるようになりました。
でも、展示場からは巣の位置が遠くなかなか見えません。
20日齢ぐらいまで成長すると、遠くからでも雛の姿が見えるようになりました。
雛は、親鳥が一度飲み込んで未消化の餌を口移しで食べます。
雛が親鳥に餌をねだる声も大きく聞こえるようになりました。
25日齢ぐらいにもなれば、しっかり巣の上に立ち、親鳥に抱かれることも少なくなりました。
30日齢をすぎるころから、時折翼を広げ、飛ぶ練習を始めます。
巣立ちは、44日齢ぐらいと言われています。
もし、バードケージにくちばしが肌色のクロツラヘラサギがいたら、それは4月14日に孵化して巣立ちした若鳥ということになります。他の親鳥たちの中でどんなふうに生活しているか、ぜひ見に来てくださいね。
(飼育展示係 尾崎)