更新日:2016.11.28インコまたまた巣立ちました
インコまたまた巣立ちました
インコがまたまた巣立ちました。これで今年度、巣立った雛は9羽となりました(さらに巣立ち前の雛が3羽いますけども)。ただ、今回の雛達はかなり成長が遅く無事に巣立てるのか不安が多い雛達でした。
話しは少しそれますが、親鳥が抱卵している卵はそのすべてが無事に孵化する卵とは限りません。飼育管理する上で卵を選別する必要がありますので、検卵と呼ばれる卵を確認する作業を行います。
こちらは産卵した当日の写真です。暗所で卵に強い光をあてると卵を透かして見ることができ、卵の中の様子を確認することができます。産卵してしばらくは、卵の成長を確認することは難しく、産卵した当日の卵では何もわかりません。これが1週間もすると・・・
順調に成長していれば、写真のように血管が見えてきます。このあとは、なんとなく雛らしい影が見えてきてその影が段々と大きくなっていきます。
そして、無事に孵ってくれるとこんな感じです(ちゃっかり本題に戻ります)。インコの雛は晩成性の鳥なので目も開いておらず、羽も生えていない状態で孵ります(承認は得ていませんが、早成性の鳥の雛は早成性の鳥類の担当者がきっと紹介してくれると思います)。
孵化して10日もすれば、目が段々と開いてきます。ここまでは、例年の雛達と成長速度は変わりがありませんでした。
孵化後30日。本来なら、羽が生えそろって巣立ちを控える時期ですが、飛翔に必要な風切羽も伸びきっていません。もうちょっとしたら風切羽も生えそろうだろうと楽観視していたら・・・
50日齢でもこの姿・・・
しかも3羽とも・・・通常なら50日齢であれば、自由自在に飛翔できますがこの3羽の風切羽では到底飛ぶことができません。ただ、雛達(雛と呼んでいいかわかりませんが)は巣の外に出る気はあるため、どんなに巣箱に戻しても気づいたらコンクリートの床面に落下しています。このままだと、怪我の危険性が高まるため、いっそのこと巣の外で成育することにしました。心配事は多々ありましたが、親鳥が餌を運ぶ姿が確認できましたし、なによりも自力で餌をついばむ姿も確認できたので暫く様子をみていると・・・
60日齢ほどで、羽をバタつかせながら逃げ回れるようになったかと思うと、あれよあれよと飛翔能力が向上し、親鳥に負けないぐらい飛翔できるようになりました。なにはともあれ、3羽とも無事に巣立つことができてなによりでした。
飼育展示係 大滝