更新日:2023.04.03ミゾゴイ達の春
ミゾゴイ達の春
気が付けば桜の花が咲き、暖かい日も随分と増えてきましたね。
春、それは出会いと別れの季節です。
ミゾゴイ達にとって春は出会いの季節。ちょうど今頃野生のミゾゴイ達は、
フィリピンなどから繫殖のために続々と日本へ渡ってきている頃です。
ミゾゴイは決して飛ぶのが上手な鳥ではありません。
そんな鳥が毎年、春は繁殖のため、秋は越冬のために
日本と東南アジアという遠く離れた場所を往復しているんです。
この普段の姿からは想像もできない逞しさが僕はたまらなく好きです。
そして、日本へやってきたミゾゴイは夜にポー、ポーとフクロウのように鳴き、ペアとなる相手を探します。
推定1000羽といわれているミゾゴイがペアとなる相手を探すのは、さぞ大変なことでしょう。
そんなミゾゴイ達の恋の季節がまもなくやってきます。
というわけで、最後のクイズの答えは1番の「春」が正解でした。
野毛山動物園にいるミゾミとミゾジロウもこの春、野毛山では初めてとなる繁殖期を迎えます。
お食事タイムやブログでたびたびご紹介していますが、
これまでの2羽の関係は決して良好とは言えませんでした。
適度に距離を保っていて、お互いの距離が近くなった時はミゾミが怒る光景もよく見られました。
そんな2羽ですが、最近は少しずつ少しずつ距離が近くなっている時間が増えてきました。
(離れているようで今までにはない距離感なんです)
でも相変わらず僕に対しては怒るミゾミです。距離、離れてるんだけどなぁ...
野毛山では初の繁殖期という事で心配な点もありますが、これから2羽で協力しながら巣を作り、
そして出来上がった巣からタケノコのようにニョキニョキ顔を覗かせる
可愛い雛が見られるといいなぁと思っています。
また、昨年秋に緑化大作戦のために植えた植物も、暖かくなってきてようやく緑の葉を生やし始めました!
冬の間は茶色で少し寂しい景色でしたが、これからぐんぐん成長しミゾゴイ展示場を
彩ってくれることを期待しています。
さて春は別れの季節ということで、私事ですが4月からミゾゴイの担当から離れることになりました。
1年という短い間でしたが、気が付けば一番好きな動物になるぐらいに、
ミゾタロウ、ミゾジロウ、ミゾミの3羽からミゾゴイの魅力を沢山教えてもらいました。
(保護個体のため人に慣れ、肢が不自由ながらも頑張って枝を運ぶ姿が印象的だったミゾタロウ)
(警戒心が強いミゾジロウはミゾゴイらしい姿をたくさん見させてくれました)
(ミゾミといえばこの姿。どんな取り組みにも動じないミゾミには助けられました)
あまり知られていない動物だからこそ一人でも多くの方にミゾゴイの魅力を知っていただきたくて、
お食事タイムの実施日以外にも出来るだけ沢山セルフガイドをしてきましたが、
そのおかげで皆さんと沢山お話できたことが思い出に残っています。
まだまだやりたいこと、皆さんに伝えていきたいことは山ほどあるため少し寂しくはありますが、
その分も新しい担当動物で頑張りたいと思います!
改めて私の初めての担当動物が、落ち着いた見た目ながらも魅力に溢れたミゾゴイで良かったなと感じています。
全国のミゾゴイ応援団の皆様、そして初めて私のブログに目を通してくださった方へ。
どうか今後が楽しみな野毛山のミゾゴイ達を、そして人知れず絶滅に向かう
野生のミゾゴイ達を応援してあげて下さい!
これからもずっと
ミゾゴイ応援団 長野