更新日:2017.06.27世界キリンの日
世界キリンの日
6月21日は何の日か知っていますか?
「World Giraffe Day 世界キリンの日」です。「世界キリンの日」は、1 年で最も昼が長い日(夏至) に最も首が長い動物「キリン」について注目してほしいとキリン保全財団によって2014 年に制定されました。
この「世界キリンの日」に賛同した世界中の動物園では、キリンにちなんだイベントなどを開催しています。野毛山動物園でもキリンの「そら」と「モミジ」に協力してもらい、「お食事タイム」でのガイドやポスター掲示などを実施しました。
そこで、ブログでもアフリカに生息する「そら」と「モミジ」の仲間たちの現状について紹介したいと思います。
皆さんはアフリカに行ったことはありますか?
アフリカは、私の初海外旅行先でもあり、とても思い出深い、とても美しいもう一度訪れたい場所でもあります。渡航前、アフリカに行けば、たくさんの野生動物たちに会える!と思っていました。もちろん野生動物の宝庫でしたが、そんなアフリカでもキリンは7つの国で、すでに絶滅しているのです。
30年前、1980年代にはアフリカ全体のキリンの個体数は約155,000頭と推定されていましたが、現在は10万頭以下と推定されています。また、2016年には、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「絶滅危惧Ⅱ類」に分類されました。
また、これまでキリンは単一種と考えられてきましたが、近年では1種ではなく、4種に分けられるのではないかという研究もあります。それによっては、より深刻な現状にさらされている種が出てくるのです。
動物園でおなじみの動物ですが、まだわからないことがたくさんあります。今後、研究が進み、キリンの現状がより正確に判断されることを望みます。
そして、同じアフリカに生息する動物であり、絶滅危惧種に指定されているアフリカゾウと比較すると...
アフリカゾウは、約45万頭が生息していると推定されています。あまり知られていませんが、キリンはアフリカゾウよりも生息数は少ないのです。
さらに、カバよりも...少ないのです。
キリンの減少理由としては、人為的な要因(開発による生息地の減少や分断、家畜との接触による感染症など)が挙げられています。しかし、人為的な要因であるならば、私たちの行動あるのみです!!そのために、まずは、みなさんにキリンの現状を知ってほしいのです。
遥か遠いアフリカの地で暮らすキリン。
でも、野毛山動物園の「そら」や「モミジ」に出会い、キリンに興味を持つところからでも大きな一歩です。その一歩がたくさん集まり、大きな力となって、キリンたちの未来が明るくなることを願っています。
(飼育展示係 落合)