更新日:2017.11.09
今年最後の?巣立ちビナ
この鳥は何という種類か分かりますか?
「メジロ」という鳥です。持ち込まれた時の体重は7gほどでした。
今年の9月中旬に中区で保護されました。
保護した方は、小さな鳥が飛べずに道端にいて危なかったので、動物園に持ってきたとのことでした。
この鳥は、持ち込まれた際、特にケガもしておらず、元気そうに鳴いていました。
巣立ちして間もないようで、しきりに羽を震わせて、餌をねだっていました。
幼鳥の時は、目の周りが白くないため、ウグイスだと思って持ち込まれることも多い鳥です。
しばらくすると、目の周りに白い羽が生えてきます。成鳥は、目の周りが白いので、その名の通り「メジロ(目白)」となります。
多くの鳥たちは、春から夏にかけての暖かい時期に卵を産んで、子育てをします。
9月に入ってからの巣立ちビナはあまり見かけなくなるので、「あら、まだ巣立ちビナがいたのね~!」と思いました。
巣立って間もなくのヒナ鳥は、まだ上手く飛ぶことができません。その間、親鳥が付き添って、口移しにエサを与え、ヒナの成長を見守り、飛び方などを教えながら育てているのです。
このような時、ヒナがひとりぼっちでうずくまっている様子で、近くに親鳥がいない!と思うこともあるかもしれません。もちろん、親鳥が死んでしまい、育てられないこともあるかもしれませんが、親鳥が、人に警戒してヒナに近寄ることができないことも多いようです。
このメジロは、天候のよい10月末に野生に帰りました。
私たちは、動物園に持ち込まれた鳥たちに対して、餌を与えて育てることはできます。しかしながら、野生での餌の取り方や、身の危険を守る方法などを、親鳥のように付き添って教えることはできません。無事に野生で暮らしていけますようにと願うばかりです。
(飼育展示係 五十嵐)