更新日:2016.03.29チャンプの出園
チャンプの出園
3月14日にインドサイのチャンプが
山口県の秋吉台サファリランドに出園しました。
2014年1月31日に金沢動物園で生まれたチャンプは、
この2年間、本当に順調にむくむくと成長しました。
生まれた時の体重は約80㎏。
母親のおなかの下に収まってしまうくらいの大きさでしたが、
2歳になると母親と変わらないぐらいに成長し、
どちらが子どもか分からないほどでした。
2016年2月8日に輸送箱(移動用の箱)を設置し、
チャンプが安心して箱に入れるように、練習を繰り返しました。
初めは緊張した様子でしたが、
練習を繰り返すうちに、箱の中で餌を食べたりするようになりました。
搬出当日はあいにくの雨のためか、チャンプも落ち着かず、
なかなか輸送箱に入ろうとしませんでした。
時間をかけて落ち着かせ、ようやく輸送箱に入ることができました。
箱の中で、初めはガタガタと動き回っていましたが、
しばらくすると落ち着き、差し出されたバナナやリンゴを食べたりしていました。
それから、クレーンで吊り上げてトラックに乗せ、金沢動物園を出発しました。
翌日15日は天候に恵まれ、
秋吉台サファリランドでは青空が広がっていました。
搬入作業はとても順調で、
輸送箱の扉を開けて名前を呼んでやると、ゆっくりと立ち上がり、
新しい寝室へと入っていきました。
チャンプは輸送箱の色がついて、ところどころ緑色になっていましたが、
とても落ち着いていました。
サファリランドのスタッフになでてもらうと、気持ちよさそうに身をゆだねていました。
無事に引っ越しが完了し、私もホッとしました。
野生のインドサイは19世紀後半に乱獲が原因で数百頭まで減少しました。
100年以上の時間をかけ、たくさんの人が協力してインドサイを守る活動を続け、
今では約3300頭まで数を増やすことができました。
動物園でサイを飼育して繁殖や研究に取り組むことだけでなく、
たくさんの人にサイについて知ってもらうこともサイを守る活動につながります。
チャンプが秋吉台サファリランドでも人気者になってくれることを期待しています。
また、今後もかわいい赤ちゃんサイが見られるように、
金沢動物園でも次の繁殖に取り組んでいきたいと思います。
これからも応援よろしくおねがいします。
(先崎)