更新日:2020.01.29いきもの館のトウキョウサンショウウオ
更新日:2020.01.29
いきもの館のトウキョウサンショウウオ
皆様、新年早々ビッグニュース(私にとってですが)が飛び込んでまいりました。トウキョウサンショウオやタガメなどが「特定第2種国内希少野生動植物種」に指定されることになったんです。
特定第二種国内希少野生動植物種は、2018年6月に施行された新しい制度です。商用目的での捕獲が禁止され、調査研究や趣味としての捕獲は可能なのですが、不特定多数に販売したり配ったりする行為は禁止されます。
このニュースを聞いて少しほっとしました。昨年も産卵場所を見に行って2~3個見つけたトウキョウサンショウウオの卵のうが、数日後には1個も無くなっていることがありました。アライグマに食害されたのかもしれませんが、販売目的で採集されたのかなとも思っていたわけです。このような身近な希少種を保護する制度ができたのは喜ばしいことです。あとは生息地を保護する制度ができれば申し分ないのですが。
金沢動物園ではトウキョウサンショウウオの保全を行うことができないかと考えて、2年前から飼育を開始しました。4匹を飼育しています。卵から孵ったばかりの時は1センチ前後だった幼生が、水中でボウフラや冷凍赤虫などを餌にしてどんどん大きくなって上陸し・・・。
今では10センチ弱くらいまで成長しました。
冬なので冬眠をするはずなのですが、展示している個体は時々コオロギのSサイズを食べたりしています。
バックヤードの個体は水槽内の落ち葉の下や水の中でじっとしています。
あと1年ほどすれば性成熟するのではないかと思います。何とか水槽内繁殖技術を確立し、域外保全につなげたいと思います。
(飼育展示係 桐生)