更新日:2021.01.22スフィアはバックヤードに移動しました
スフィアはバックヤードに移動しました
1月に入り、雄のスフィアは展示場側の部屋から、バックヤードの部屋に移動しました。
スフィアはこれまでにサリーム、ヘルム、ミナ、ナキと、今後の日本のアラビアオリックスを担う若手を産み出した父親です。近年の金沢動物園ではリズや故カナといったメスたちとペアリングができる唯一の雄として、頑張ってくれていました。
以前は繁殖期のメスを見つけると、メスに近づこうと柵や壁の脇を歩き回り、体が擦れて出血しても気にしないほどメスを意識していました。しかし、ここ数年はメスのリズと共に年老いてきたのか、互いを気にすることが激減しました。
また、日中は日なたを求めて移動しつつ、居心地の良いところで、座り込む姿が多く見られるようになってきました。
アラビアオリックスは臆病な性格が多く、工事の人影や音にも激しく反応してしまいますが、スフィアは平気。他のオリックスたちのようにバタバタと走ることなく、じっと見たり、離れて安全を確保したりすることができます。
何カ月も行っていた隣のキリン舎工事も終わり、スフィア以外のオリックスたちも、キリン舎が近い展示場側でも落ち着いて過ごすことができるようになったので、今後の繁殖のペアリングも考慮し、スフィアは展示場に近い部屋から、日なたが多くこれまでよりも暖かくのんびりと過ごせるバックヤードに移動することにしました。
これまでは朝、部屋の外に出てから、日が当たるまでしばらく待ち時間がありましたが、これからは朝早くから日が差し、日なたでのんびり干し草を食べることができます。
冬の間寒そうな展示場にはあまり出ないまま、バックヤードに行ってしまったので、皆さんにご挨拶ができませんでした。スフィアは移動がスムーズなので、暖かくなったら、スルスルっとバックヤードを通りぬけて、皆さんにご挨拶できる日を設けられたらと思います。
スフィア、今までお疲れ様。最近展示場で活躍してくれているリズや、娘のナキは遠くなってしまったけれど、これからは息子のヘルムを隣に感じながら、暖かい日差しをたくさん浴びて、のんびり過ごそうね。