更新日:2021.10.10タヌキの事情
更新日:2021.10.10
タヌキの事情
ある日、私が作業をしているともぞもぞと動いている何かを発見しました。よーく見てみると...
タヌキです。
おっと、動物園のタヌキが逃げた!?
安心して下さい、金沢動物園には野生のタヌキも暮らしていて、このタヌキは今年生まれの野生個体のようです。しかし、顔つきを見て異変を感じました。
写真だと分かりづらいですが、体の側面にふけのようなものが見えます。おそらく軽度の疥癬症を患っています。
体がかゆくて、口や後ろ足を使ってかいていました。
それでも、クンクンとにおいをかいで餌を必死で探しています。
野生動物は人間が近づこうとすると、逃げていきます。
病気を患っているなら助けてあげたい、しかし元気なうちに捕獲しようとするとタヌキだけでなく、私たち人側も大きなケガを負ってしまう可能性があります。
せめてご飯だけでも、とペット用フードや人間が食べているものを1度でも与えてしまうと、その味を覚えて何度もやってくるようになります。タヌキにとってはよくない食べ物のことがあるので免疫力を低下させ、病気を進行させてしまう一因となります。
頑張って餌を探している間は優しく遠くから見守っていてあげてくださいね。もう元気もなく手を差し伸べなくては危ないという状況を見かけた際は、動物園にお電話ください。
※弱った日本在来の野生動物(哺乳類、鳥類)の保護は、動物園から出かけて行くことはできませんが、神奈川県内での保護を対象にお預かりしています。
傷病鳥獣担当 うっちー