更新日:2022.09.12およそ40年ぶりの風景
およそ40年ぶりの風景
ドタバタしているうちに夏が過ぎてしまいました。昼のセミより、夜のコオロギ類やキリギリス類のほうが盛大に鳴いています。
ブログがご無沙汰のいきもの館ですが、展示場では稲穂が色づき始めています。
昨年は野菜を作って、畑に暮らす生き物を紹介していましたが、今年は稲作をしていました。
畑から水田になり、水辺の生き物もくらせるようになりました。
古い資料をあさっていると、金沢自然公園ができる前は谷の方に田んぼがあったことがわかりました。昭和58年の調査記録で、カエル類の繁殖地になっていたことが記録されています。
田んぼを復活させたいなと思い、去年からぼちぼち作業して・・・お米できました。
ちっちゃい田んぼですが、金沢自然公園で稲穂が揺れる景色は約40年ぶりのことでしょう。
昔の写真や資料で田んぼの場所を確認し、
地面の下に埋まっている昔の田んぼを探します。
田んぼの土を運び、
いきもの館で田んぼを復元します。
田んぼは水を溜めるので、水漏れしない土が必要です。また、田んぼだった場所の土には当時の植物の種が残されている場合があるので、当時の植物が復活することも期待しました。
去年の12月には何となく田んぼらしくなりました。
この時期の完成を目指したのはある理由があります。
ヤマアカガエルの産卵です。水場ができて数カ月と経たないうちにカエルがやってきてくれました。
5月には田植えをしています。この苗は去年ダルマガエルの水槽で実ったお米から育てました。
イネも草も順調に育ちました。
いきもの館に田んぼや水路ができてまだ1年も経っていませんが、虫や両生類、爬虫類、鳥や獣など、いろいろな生き物が水場を利用しています。
どれほどの時間がかかるかわかりませんが、田んぼと一緒に姿を消していた生き物が戻ってくることを期待しています。
毎週水曜日、14:30に実施している身近ないきものガイドでは、いきもの館の田んぼやその周りで暮らす生き物を紹介しています。
書ききれないのでガイドの時間に遊びに来てください。
先﨑