更新日:2022.12.13カンガルーブログ よく聞く疑問にお答えします
カンガルーブログ よく聞く疑問にお答えします
ウォークスルーに立っていると『なんか...このカンガルー小さいね...』という来園者の声をよく聞きます。
見慣れていると特に疑問に思わないのですが、ウォークスルーのカンガルーたちはちょっとイメージしているカンガルーよりも小さいのかもしれません。では、なぜ小さく感じるのでしょう?
(今回のアイキャッチは内容とは全く関係のない、キノコさんの口元です。)
まず、種類の違いがあります。ズーラシアでも飼育している≪アカカンガルー↓≫、こちらはオスで80㎏・メスが25㎏ほどあります(ズーラシアHP参照)。
(手持ちのアカカンガルーの写真がこれしかなかったのでご容赦ください。↑はオーストラリアの動物園で撮影したアカカンガルーです。)
金沢で飼育している≪オオカンガルー↓≫はオスで70㎏・メスは25㎏前後ほどの大きさです。体重だけで見るとメスはあまり変わらないように思えますが、アカカンガルーと比べるとオスの場合は2回りほど小ぶりです。したがって、アカカンガルーをイメージしていると、かなり小さく感じるかもしれません。
カンガルーの隣の展示場にいるコアラも、同様に種類によって大きさが違います。金沢のコアラは北方系(クイーンズランドコアラ/ニューサウスウェールズコアラ)と呼ばれる、小型のコアラです。
他に南方系(ビクトリアコアラ)と呼ばれる大型のコアラを飼育している動物園もあります。南方系のコアラの方が毛足が長く、体が大きいです。
(↓こちらもオーストラリアの動物園で撮影した北方系コアラ・上と、南方系コアラ・下)
もちろんワラビーにもいくつか種類があり、パルマワラビーはその中でも小型。以前飼育していたオグロワラビーは、もう一回り大きかったです。
次に、雌雄の違いがあげられます。
金沢では、現在ウォークスルーにメス、ガラスビューにオスをそれぞれ展示しています。↑で書いたように、オオカンガルーは雌雄の差が大きい動物です。体重だけだとピンとこないと思うので、いつも掃除で使っているほうき(約120cm)で比較してみます。
まずオス↓
メス↓
雌雄での大きさの違いが、なんとなく伝わりますか??
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番外編として大きさ以外での見分け方を上げるとすると、やはり≪有袋類≫なのでメスには子どもを育てるための≪育児嚢≫があります。育児嚢の入り口はパッと見よくわからないかもしれません。普段はきゅっと閉まっています。
個体によって入り口が分かりやすい個体もいます。
こんな感じでびよーんと開きます(モデルさんの微妙な顔...笑)。
オスに育児嚢はありません。その代わりといては何ですが、睾丸があります。
丹念なメンテナンス(毛づくろい)も欠かせません。
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こんな感じで、カンガルーと一口に言っても種類や雌雄で様々な違いが見られます。他にも疑問に思うことがあれば、ガイドの際などに職員までお声がけください。
(しばた)