金沢動物園公式サイト

twitter facebook youtube
キンモクセイ(モクセイ科)の写真

更新日:2024.10.03キンモクセイ(モクセイ科)

更新日:2024.10.03

キンモクセイ(モクセイ科)

この時期に町を歩いているとどこからか漂う香りで、ふっと足を止めることがあります。秋の訪れの代表選手、キンモクセイです。キンモクセイは「三香木」のひとつで、春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子(クチナシ)、秋の金木犀(キンモクセイ)の3つ。
 花言葉は「謙虚」、「陶酔」など。強い香りとは裏腹に、咲かせる花は小ぶりでつつましいこと、また、香りに酔いしれる様子が気持ち良いほろ酔い気分にさせてくれるのに由来しているといいます。

 名前はオレンジ色の花を「金」に見立て、「犀」という字はキンモクセイの樹皮が動物の犀(サイ)の皮膚に似ていることから付けられたそうです。江戸時代頃に中国から日本に渡来し、日本の秋の風物詩になっています。

PA022962.jpg

 開花時期は9月下旬から10月中旬、気温が高いほど開花時期は遅くなります。今年の秋は気温が高めの予報のため、開花は少し遅くなるかもしれない...と思っていたら、102日に咲きはじめを確認しました。オレンジ色の十字の形をした小さな花が集まり、枝に沿って咲きます。常緑樹で香りが強いので、庭木としてもよく使われます。

PA022966.jpg

 以前、京都の日本庭園で風情のある景色を見たことがあります。
 咲き誇って落ちたオレンジ色の花柄を根元に丸く掃き集め、地面にオレンジ色の円が描かれていました。盛りを過ぎても違った形で彩りを添える知恵と工夫が楽しめ、美の境地を見た思いでした。

 花の咲いている日数は意外と短く、3~7日ほどで散ってしまいます。猛暑の影響で花の時期が少し先になりそうと思っていましたが、金沢自然公園のこども広場のキンモクセイの良い香りが秋の風に乗って漂い始めました。日本の秋の風物詩をじっくりと味わいましょう。

PA022960.jpg

(行雲流水)