更新日:2018.05.28ホトケドジョウのミズカビ病
更新日:2018.05.28
ホトケドジョウのミズカビ病
日に日に日没時間が遅くなり、園路にヘビをよく見かけるようになった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。アリたちも結婚飛行のシーズンで、巣穴から羽がついた新女王アリやオスアリが出てくる姿が観察できます。
3連続でホトケドジョウのお話です。先日、水槽内の2匹のホトケドジョウの体表にミズカビが付着していました。ミズカビ由来の皮膚病になっているようです。金沢動物園には魚用の薬がありませんでしたので、昔野毛山動物園でカメの皮膚病予防のために行っていた工夫をアレンジして使ってみました。
カメ用には陸地に流木を使ったり、水槽内にクヌギやヤマモモの樹皮を入れておいたりしてタンニンという成分を水中に溶け出させていました。タンニンは柿のしぶなどにも多く含まれる成分で、抗カビ作用があるんです。ホトケドジョウにはクヌギの小枝やスダジイ(いずれもドングリがなる木です)の葉をぐつぐつと煮出し、タンニンたっぷりの水を作って・・・
病気のホトケドジョウを隔離した水槽に流し込みました。かなり水が茶色くなっています。熱帯魚の飼育でも使われる手法のようで、タンニン豊富な川に生息している熱帯魚のために、タンニンが溶け出す葉っぱが売っているそうです。
残念ながら1匹は死んでしまいましたが・・・
もう1匹はミズカビも消え、食欲も旺盛になり、すっかり元気になってくれました。何せ元気すぎて止まってくれないので、カメラのピントが合いません。
いつまでたっても止まってくれないので、結局あきらめました。
元通りの体になったホトケドジョウは、また群れに戻しました。今度はミズカビ病がもっと軽いうちに早期発見をして、タンニン水につけてあげましょう。
(飼育展示係 桐生)