更新日:2016.02.20ありがとう、ウラヌス。そして、さよなら…
更新日:2016.02.20
ありがとう、ウラヌス。そして、さよなら…
日差しに力強さが戻り、うっすら春を感じられるような季節になってきましたね。
花粉はこの上なく、憎くて仕方がないですが…。
ズーラシアは、ご存じのとおり、自然が豊富な、いや、豊富すぎる動物園です。
よって、花粉症の季節の方は、万全の花粉症対策のもと、ご来園ください。
と、季節の変化を体で感じ、あっという間に季節は流れて行ってしまいます。
月日の流れはとっても早いんです…。
報告が遅れまして、大変申し訳ありませんが、昨年の夏に来園者の方々から愛されていた
アビシニアコロブスのオス、ウラヌスが永眠致しました。
ウラヌスはズーラシアのサバンナエリアのオープンに伴い、
奥さんのシズカと共に、他園からやってきました。
実は一年以上前から体調を崩しており、様子を見ながら展示をしてきました。
調子のいい時は、写真のように目をキラキラしながら葉を食べてました。
また、ゆで卵には目がなかったです。1個をペロリと完食。
体調が優れなくても、卵を見ると駆け寄ってきました。
子供のように、口に黄身をつけながらもゆで卵を催促していました。
絶好調の時は、両手に餌を持ち、目いっぱい食べてくれました。
ただ、体調には大きな波があり、日によっては全く食べることが出来ず、
少しの移動でさえ辛そうにしていることもあり、日々大きく変化しました。
一足早く展示場に出して、先に食べさせて様子を見ました。
真夏には、体調を考慮して、途中で収容することもしばしばありました。
収容後は家族仲良く、一つの台に乗り、葉を食べてました。
乱暴な事をする長男ギガースに対して、しっかり注意もしてくれました。
特に、末っ子のルカと一緒に仲良く食べる姿が垣間見られました。
自撮り風のこの写真は結構気に入っています。
ルカは特に顔が父親(ウラヌス)にそっくり。
本当に日々の中でも大きな波があり、何度も何度も明日のウラヌスには会えないのではないだろうか、
と思い、後ろ髪をひかれる思いで獣舎を後にすることもありました。
そのたび、何度となく回復してくれました。
もう、頑張らなくてもいいよ、と思うほど本当に最期の最期まで頑張ってくれました。
命が尽きるその日まで、愛する家族と過ごし、精一杯生きてくれました。
ありがとう、ウラヌス…。
展示をお休みしている間には、ウラヌスの体調を気遣ってくれる方々が多くいらっしゃいました。
ウラヌスの事を気にかけて下さった方々、愛して下さった方々、本当にありがとうございました。
ズーラシアには数多くの種類、個体がいる中で、アビシニアコロブス、そして、
ウラヌスという一個体を気遣い思ってくれる方々がいたことを飼育員として、
この上なく、嬉しく思います。
大変残念ながら、ウラヌスは旅立ってしまいましたが、皆さんの愛は届いているはずです。
こんなに愛されたウラヌスの担当をできたことを誇りに思います。
他個体がより健康に、元気に過ごせるように全力で取り組んでいきます。
引き続き、アビシニアコロブスたちをよろしくお願いします。
(残念ながら展示場改修により3月29日まで非展示となっています。ご了承ください。)
飼育展示係 ナカジマ