更新日:2018.12.19疥癬タヌキが保護されました
更新日:2018.12.19
疥癬タヌキが保護されました
みなさんこんにちは!
傷病鳥獣担当ヨシタツです。
今月11日、疥癬症のタヌキが保護され、ズーラシアに持ち込まれました。
低体温で衰弱しており、起き上がることができませんでした。
また、脱水で目が落ち窪んでいます。
疥癬症とは、ヒゼンダニというダニが皮膚に寄生することで起こる皮膚病です。
感染すると痒みを伴い、毛が薄くなるなどの症状が出ます。重症化するとその範囲は広がり、皮膚の表面に分厚いかさぶたができ、毛がごっそり抜けてしまいます。
ダニが原因の病気なので、駆虫薬を投与することで治すことができます。
しかしこの寒い時期、毛がなくなって裸の状態になってしまったタヌキは寒さで凍えてしまいます。そのため、低体温で衰弱してしまったり、免疫力が落ちて別の病気にかかってしまうこともあり、場合によっては死に至ります。
今回保護されたタヌキには、保温、補液などの処置を行い、数時間後には少しずつ動くようになりました。
胃に負担をかけないように、ふやかしたドッグフードを犬用ミルクに浸して給餌するとすぐに食べはじめました。
こんな症状にもかかわらず、自力で顔を起こし、餌を食べる様子には驚きました。野生動物のたくましい生命力を感じます。
駆虫薬を投与してから4日目。
皮膚表面のかさぶたが取れはじめ、下にピンク色の皮膚がみえます。毛が生えるまではまだ時間がかかるため、野生復帰に向けて、しばらくは暖かい部屋で飼育し、たくさん食べて体力をつけてもらおうと思います。
飼育展示係 義達