更新日:2021.08.01さよなら、ジョス
さよなら、ジョス
みなさん、こんにちは。
ケープハイラックス担当の矢向です。
今回は、みなさんに悲しいお知らせがあります。
7月18日、ジョスがこの世を去りました。
ハイラックス舎では十分な運動と日照時間を確保できないため、動物病院に移動しましたが、しばらくして、食欲がなくなり、体重も減少していきました。
その後、徐々に食欲が戻り、排便もするようになりましたが、体調が回復することはありませんでした。
ジョスは南アフリカから来た6頭のケープハイラックスの内の1頭で、ズーラシアではメスのリーラとテテの間に、合計で18頭の子どもを持つ父親になりました。
同じ群れの別のオスに攻撃を受けケガをしてからは、ジョスをケージに隔離して飼育していました。
ジョスは毎年ある時期になると、原因不明の体調不良を繰り返し起こす個体でしたが、いつもいつのまにか体調が回復していました。
獣医師に聞いてもなぜ毎年体調を崩し、自然に治るのかよくわからないそうで、本当に不思議な個体でした。
動物園へ移動後、最初は慣れない環境で落ち着きがなく、採食量も減っていましたが、様子を見つつ、ジョスの体調や体の負担を考慮して高台に移動するための枝の設置など、ジョスがすごしやすいように飼育環境を整えていきました。
高所に登れなくなってからは、エサの位置を地面に変更するなどの対応も行ってきました。
ジョスのためと思い病院に移動しましたが、ジョスの体調が回復しないこともあり、一度ハイラックス舎に戻す話を進めていた矢先のできごとで、もう少し早めにハイラックス舎に戻していればと思うことが多々あります。
第一に考えるべきことは、動物にとって望ましいことは何かを考えることだと思います。広い場所に移動しても、動物が利用しなければ意味がない。狭いながらも、動物にとって最良の環境である場合もあると思います。
ナクルとジョスが突然いなくなり、悲しい気持ちを隠しきれませんが、今回学んだことから今後の飼育に生かし、精神共に肉体も健康で、長生きできるように飼育環境を作っていきたいと思います。
飼育展示係 矢向