更新日:2021.10.01エミリーの思い出②
エミリーの思い出②
キリンのエミリーが9/7に仙台市八木山動物公園へ出園しました。
今日はエミリーとの思い出の続きをお届けします。
(前回のお話はコチラ「エミリーの思い出①」)
キリンは基本的には警戒心が強い動物で、輸送箱になれるのに時間がかかると言われています。
そこで搬出日より1カ月以上前の7/27に輸送箱の設置を行い、馴致を開始しました。【輸送箱設置の様子】【輸送箱を見て獣舎に帰ってこないキリンたち...】
馴致を開始したばかりの頃は大好きな餌を見せても、名前を呼んでも耳をこちらに向けるだけ...
いつもは寄ってきてくれるのに...困った...
餌だけでなく、カルメンにも協力してもらいました。
エミリーはカルメンが大好きなので、隣のサブ運動場にいるカルメンの方に行きたい!という気持ちを利用しての馴致を繰り返しました。
餌より有効だったような気がします。
毎日少しずつ進み、時には後退し...。
色々な動物園の方にアドバイスをいただきながら進めましたが、思うように進まず焦りと不安が出てきました。
【少しずつ前進するエミリー】
不安なまま迎えた搬出当日は、輸送箱へすぐ入ることはありませんでしたが15分ぐらいで入りました。(体感は30分以上だった...)
思っていたよりは時間がかかりませんでした。輸送箱に入った後は輸送業者さんに「おとなしい子ですね」と言われるほど、落ち着いていたエミリー。
緊張していただろうけど、本当によくがんばってくれました。
今回の搬出では色々と反省点がありましたが、翌朝に無事到着したとの連絡があった時は、ひとまずほっとしました。さて、なぜキリンの引っ越しが必要なのか、疑問に思った方もいると思います。
日本でキリンの飼育頭数を維持していくためには血縁関係を考慮した計画的な繁殖が求められるため、
全国の動物園が協力し合う必要があります。
キリンには計画管理者がおり、その中で血統や飼育スペースなどを考慮して、計画的に適切な繁殖を行うことにしています。
そして今回その繁殖計画にもとづいてエミリーが移動することになったのです。
エミリーの両親のエマとハクナはそれぞれアメリカの異なる動物園から来園し、日本での新たな血統として繁殖が期待されていました。
そして、その血を受け継ぐエミリーも同じように期待されています。
まだ先の話にはなりますが、いつかエミリーの赤ちゃんに会えることを私も心から願っています...★
エミリーと過ごした2年と2カ月の間、本当にたくさんのことを学ばせてもらいました。
私たちにとってかけがえのない、大切な時間です。
エミリーありがとう!
八木山動物公園でも元気に過ごしてね‼‼‼
エミリーに会いに行った方はぜひSNS等で様子をお知らせください★
ずーーっとチェックしていますので‼‼笑
次回のブログでは、エミリーがいなくなってしまった後のキリンたちの様子をお届けします。飼育展示係 宮本