更新日:2022.03.27断念した 個体識別フローチャート2
断念した 個体識別フローチャート2
前回は生え際での見分けをご紹介しました(そのブログはこちら)
今回は性別、尻尾の長さ、色もご紹介します。
哺乳類はほとんどの動物が生殖器を見て雌雄判別できます。もちろんニホンザルもです。
(左:オスのニーヤン、右:メスのエツコ)
2頭とも赤いお尻ですが、ニーヤン(左)の方が赤い部分が長いです。このメスよりも長い部分は睾丸です。冬のオスは特に睾丸が目立ちます。実はこのニーヤンの写真は夏なのですが、昨年の夏はアルファオスの交代があったこともありニーヤンの睾丸は目立っていました。子ザルでも生殖器を見ることで生まれて数日以内に雌雄判別ができています。
次に尻尾の長さですが、皆さんはニホンザルの絵を描くとき、長い尻尾を描きませんか?小学生の頃の私は描いていました...。実はニホンザルの尻尾はそれ程長くありません。
お尻から少し伸びる尻尾がとてもかわいいです。ときどきお客様に「切れちゃったの!?」と質問されることがありますが、これくらいが正常です。中にはほとんど尻尾のない個体もいます。フローチャートを作る際は尻尾の有無も載せるつもりでしたが、、、
(イッチャンのお尻)
遠目に見ると尻尾がない、でもよく見ると尻尾がはげている、そんな個体がいます。特に高齢のメスに多いです。尻尾の特徴が同じ個体も複数いるため、残念ながら尻尾での見分けも難しそうです。
最後に体毛の色の違いです。ズーラシアには体毛の一部が白くなっているニイニイという個体がいます。
(指先の白いニイニイ)
指先が白いのはニイニイだけなので指が見られればニイニイは一発でわかりますね。担当者が2番目に覚えたのはニイニイでした。今はピエロのような顔つきだなと思っています。
(担当者にはピエロのように見えるニイニイの顔)
ニホンザルの体毛は元々茶色ですが、ズーラシアには濃い茶色の個体が4頭います。
(奥:リオネル、手前:ベル)
この2頭は親子ではありません。
(寒い日の2頭 左:リオネル、右:ベル)
(左から、ヨンタ、ベル、ニック)
ベルの写真を3枚載せましたが、他の個体よりも色が濃いことが伝わりましたでしょうか?
子ザルで濃い茶色の個体がいたら、それはベルです。ただ、偶然にも濃い茶色の4頭はみんな小柄です。上でピエロのようと紹介したニイニイも濃い茶色です。ニイニイは群れの中で2番目に順位が高いのに食べることに興味がないので細身です。
ニホンザルは動物園によって色や体の大きさ、手足の長さまで全然違います。動物を絞って動物園を見てまわるのも楽しいのでオススメです。最近はインターネット検索で動物園巡りをしています。
ここからは余談ですが。ネット巡りの中で「ニホンザル」と検索をすると1枚目にアルファオスのニーヤンが出てくることに気がつきました。更には過去のブログや動物紹介に使われている写真まで...!!担当者だからこそ気付けたこと、見知った顔に出会えたことなど驚きつつも嬉しかったです。
(検索トップに出て来るアルファオスのニーヤン、写真はズーラシアの飼育動物一覧です。)
(ズーラシアのニホンザル紹介ページの写真、個体はフジ)
(過去の飼育日誌、写真は母親のニックと子どものヨツバ)
嬉しさを報告したかった ニホンザル担当