更新日:2024.06.23ひでお、たくさんたくさんありがとう。
ひでお、たくさんたくさんありがとう。
とても悲しいお知らせをしなくてはなりません。
マレーバクのひでおが台北市立動物園への移動中に死亡しました。
死因については、現在調査中です。
ひでおが無事に到着した連絡を心待ちにしながら、皆様へのお知らせを準備していたところでした。
まだ、2歳5ヶ月。
また会いに行けば、あのクリクリの目のかわいらしいひでおに会えると、元気に送り出したので...まさか最後のお別れになるなんて、こんな悲しいお知らせを書くことになるなんて、思ってもいませんでした。
(移動2日前のひでお)
台北市立動物園でも、ひでおって呼んでもらえることになっていたのに。台北市立動物園の方達も、ひでお(英雄)が来る!と、楽しみにしてくれていたのに...。
海を越えて良い知らせが聞けると思っていたのですが...とても寂しく、すぐに受け入れるのは難しいと感じます。
検疫が始まってから、少し寂しそうな様子もありました。
でも、お母さんのロコとずっと一緒にいることはできないし、次の繁殖に向けても、ひでおの新たなバク生の一歩、旅立ちに向けて頑張って欲しい!と思っていました。
検疫期間中も、様子観察のため何度かひでおに会いに行くことができたので、輸送頑張ろうね。台北に行ったらきっと広いプールに入れるからね。台湾の人たちにもたくさんかわいがってもらおうね。私も秋に絶対会いに行くからね!と顔を見るたびに、何度も何度も伝えていました。
たくさんの人に送り出してもらったひでお。そのまま一頭で、もっともっと遠いところに行ってしまいました。
3度の飯よりお母さんのロコが大好きなひでお。
どちらが親子かわからないくらい大きくなっても、ロコの姿が見えなくなると展示場の端から端まで走って探し回っていたひでお。
しつこく絡んで怒られても、ロコに枕にされても、ロコを枕にしても、やっぱりなんだか嬉しそうに見えたひでお。ロコのぬくもりは、きっとあったかくて、幸せで、世界一安心できるひでおだけの特別な場所だったんだよね。
ブラッシングが大好きで、してほしくて、どこまでもついてくるひでお。そしてすぐにゴローン!無防備な体勢でお客さんにびっくりされることも多かったひでお。
なんだかよく愛称を間違えられていたひでお。
お祝いごとの珍しいエサには全く手が出せない(口をつけない)ひでお。
くるくると変わる表情の全てに、愛嬌があるかわいいひでお。
柔らかくて、でも弾力がある、よく動くひでおの鼻。
ちゅるんとま~るいシルエットも。
まだうり坊柄があるころ...
とても優しい性格の個体でした。もしかして、ひでおって世界一かわいいバクなのでは?と何度思ったことか...!
ひでおの出園前に何度か会いに行ったり、親子でブラッシングする機会を持つことができて、よかったなあと改めて思っています。
親子の間に流れる穏やかで、平和な空間が好きだったなあ。
あまりにも突然の別れに、私も実感が湧かず、とても現実のこととは思えません。長い長い旅に出ている最中で、まだ到着のお知らせを聞いていないだけのような...そんな気がしてしまいます。
17年ぶりにズーラシアで生まれたマレーバク「ひでお」は、バク界の英雄のような存在になるように、と、みなさまに投票で選んでいただいた愛称です。お父さんのカイムの忘れ形見でした。
ひでおが産まれてくるまでの408日間、長かったような、短かったような...。
生まれてからは、一度も大きな怪我や病気をすることなく、スクスク、ムチムチにあっという間に成長しました。
世の中にこんなにかわいい生き物がいたのか!?と、毎日夢中で写真を撮り続けました。
マレーバクの魅力をたっぷり伝えて、たくさんの人を笑顔にしてくれたひでお。
思い返しても、心温まる思い出ばかりです。ひでおには、本当に感謝しかありません。
ひでおとズーラシアのバクたちを応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
初めてひでおを公開したとき、誕生日イベントのとき、ひでおの出園時のガイドのとき...
いつもいつも大勢の方が会いにきてくださり、ひでおはたくさんの方に応援されて、愛されているんだなといつも感じていました。ブログにも、いつも心が温まるようなコメントばかりをたくさんいただいていました。
皆様からのバク愛・ひでお愛は間違いなくひでおに伝わっていたと思っています。
まだまだこれから先のひでおのバク生も、見守りたかったな...。
ひでおともう会えないことは私たちにとっても非常に辛く悲しく、今もひでおのことを思うと涙が止まりません。
ひでおから教えてもらったことや、今回の経験を決して無駄にすることなく、これからの飼育に生かしていきます。
私から皆様へのお願いです。ズーラシアにマレーバクの「ひでお」がいたことをこれからも忘れないでいただけますか?
生き生きとしていた、クリクリっとした目のひでおが皆様の心の中でずっと生き続けますように...。
ひでお、どうか安らかに。もっとブラッシングしてあげたかったな。
天国でお父さんのカイムに会えたら、生まれてきたことをたくさんの人に喜んでもらえたんだよって。たくさんの人にかわいがってもらって、お母さんのロコの愛情を独り占めして、大事に育ててもらったんだよって、伝えてね!
たくさんの笑顔と思い出を、本当に本当にありがとう!
ひでおのことがずっとずっと大好きな飼育員 矢口
※献花台については、一定期間生花等を維持管理することが難しいこと、カラスをはじめとする野生動物等による衛生上の観点や園路に献花台を設置することによりお客様の観覧スペースや通行スペースを減らしてしまうこと等の課題がありました。このような課題への対応に苦慮してきた経緯も踏まえ、現在は設置を取りやめさせていただいております。
ご理解の程何卒よろしくお願いいたします。